自己紹介 | office894のブログ

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土門拳賞受賞写真家故砂守勝巳の軌跡を辿ります

私の最終学歴は短期大学だ。









エスカレーター式の学校だったので勉強らしい勉強に真剣に取り組んだ記憶があまり無く、学習目的も強く持っていなかったので、「勉強」という言葉には馴染みが少ない。












今回、勉強をしようと思い至るまでの9年の間に社会に出て就労を経験したが、再び勉強をしようとおもった理由と動機を述べていきたい。







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私の家族構成は父と母である。父は写真家で母はテキスタイルデザイナーを経て専業主婦になった。















父はカメラを常に首から提げ、仕事以外の家族の日常風景も沢山切り撮っていた。
















母も絵を描く事だけでなく、芸術鑑賞を楽しむ機会を企画しては幼い私を芸術に触れさせてくれた。
















私自身、絵を描き写真を撮る事に楽しみを感じる日々を過ごした。
















両親の影響と家庭環境によって将来は物づくりの仕事につき、作品を発表していきたいと思い始めた私は、中学受験を経て私立女子美術大学付属中学校・高校・短期大学へと進んだ。












学生時代は作品制作における多くの表現技法を学ぶことができた。











技術は表現の可能性の幅を広げてくれる。












技術を得る事で、より自由な作品を制作できるのだ。














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短期大学を卒業後は作品制作と展示活動をしながら働いていたが、父の助手が必要となった事から父と私の二人三脚が始まった。
















自ら表現する立場から、芸術家を支える立場に変わったと感じた時だった。













物づくりをかじった経験のある私は、父の作品に対する姿勢を少しは理解していたかもしれないがプロフェッショナルとアマチュアの意識の違いは大きい。
















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実際のところ縁の下の力持ちというには力及ばず、二人三脚というよりは雑用しか出来ていなかった。

















「父の仕事に有益になる様な手伝いと、活動をしたい」という気持ちばかりが空回りし、具体的に有益な行動とは何かを追求する事も無く、傍にいたのだった。















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私が助手を務めてから3年後の昨年6月に、父は、この世を去った。














師と仰ぐ相手がいなくなった事で芸術家を支える立場から、作品を後世に遺す役目を負ったと感じた時だった。














その、活動方法は写真集・写真展・美術館等、素人目からも色々と思いつくが、勉強をする事によって得るものはとても大きい。









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最初に、写真という芸術だけでなく芸術そのものの本質は何か、と考えた。















それから博物館の成り立ちや社会における芸術の意味、普及、著作権などの法律を勉強し、専門的で学術的な知識という技術を得る事で、父の作品を世に表現する自由な選択肢を得たいと思った。













芸術的な科目だけでなく、総合的な教養科目を学び、自分の視野を広げるということ。
















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この先、あらゆる場面毎に勉強が必要になる時がくると思うが、現時点で必要と感じるものの中に文章表現がある。














「文章表現」が必要だと感じる理由を以下に述べる。
1)作品を世に広める為には言葉というツールはとても大事だ。
万人に、より正確に伝える事が可能な手段だからだ。
2)自分の文章表現の水準が高くなる事、すなわち正確な文法と豊富な語彙によって作品の素晴らしさを引き立てる事が出来る。














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様々な学問書を読む間何度も立ち止まり、自分の学習目的に置き換えて考える。











それを本に書き込んでいく。












辞書で調べた意味も書き込む。











私の本は、学術書であり、辞書であり、未来の計画ノートでもある。








だから、今、基礎から学ぶ事の意味は、私にとって非常に大きい。










なおかつ、読書で学べる環境は、時間制約のある社会人の私にはとても有り難い事だ。










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学ぶ事で、将来父の作品を後世に遺すという目的が立体的になり明瞭な輪郭線を持ってきた様に思う。









学習中の調査や考察の都度、父の活動に置き換えてシュミレーションをする事ができる。











父の生前、漠然と父の事をやっていきたいと思っていた事が、学習と出逢い、文章にする事によって現実味を帯び、勇気と自信になってきた。












毎日取り組む事は、父の事を考える事であり、それは父が生きているのと同じ事だ。