ここ1~2年の中で、健康・無添加・自家製・家計的・保存食・危機対応など諸々の意味において、自家製の保存食に関心を持つ事で気付いたことがあります。
例えば、危機対応の保存食としてまず頭に浮かぶものに、アルファ米がありました。しかし、自治会でもらった賞味期限間近のアルファ米を食べた時、そこに振りかける大量の化学調味料が嫌でアルファ米だけで食べた事があります。
その時の実感としては、発泡スチロールを食べている様で味も食べ応えも満腹感もまったくありませんでした。・・・と言う事は、味や満腹感はお米ではなく化学調味料によってもたらされていたのかと衝撃を受けたのです。
そこで、日頃から梅干しなどの健康食品系保存食を取り入れようと思って梅干しを食べ始めたのですが、ふと気付いたのは、そこに含まれる人工甘味料や食品添加物の多い事。もはや、売られている梅干しの多くは健康食品ではなくなっていたのです。
そこで、本物の梅干しをと思ったのですが、これはこれで我が家の家計的には少々お高い様でして・・・。
その一方で塩や酢などの実質的に賞味期限が無いようなものが、ある程度まとめて備蓄してあるのですが、塩だってそんなに大量に使うものでは無いし、だいたい酢なんて何に使えばいいのやらと言った感じでもありました。
そんな試行錯誤が続く中で辿り着いたのが、塩や酢を使って、自分で簡単にできる保存食を作ればいいのだと言う事でした。
まず、試してみたのがザワークラウト。キャベツを刻んで塩揉みしたものを発酵させるドイツ伝統の保存食で、ソーセージに添えられていたりホットドッグ等に挟んであるキャベツがこれになります。
私の住む地域はキャベツの産地であって、冬には巨大なキャベツが1つ100円で近所の農家さんの直売所で売られています。それ以前に、キャベツをもらう事も度々あるのです。
そんな事で台所に大きなキャベツが3つも並ぶと、それだけで当分の間は食卓がキャベツ攻勢になってしまいます。そこで思いついたのがザワークラウトです。
キャベツを刻んで塩揉みして瓶に詰め、今なら3~4日くらい常温で発酵させれば完成です。これを春先に作りためておけば、キャベツの値段が上がり始めても健康的な発酵食品としてのキャベツを食べ続ける事が出来ます。
発酵食品なので酸味があり、特に朝食を食べる時にはこれが無いと物足りなさを感じる程です。
また、庭で取れたレモンもその使い道に困っていました。2~3個は使っても10個もは使いません。しかも、この先年々収穫が増えて行く予定です。
そこで今年は、塩レモンに挑戦してみました。レモンを適当に切って瓶で塩漬けにし常温で発酵させるだけです。時々、揺すって全体に滲み出た汁を馴染ませます。これは仕込んだだけで、まだ食べていませんが、炒め物や野菜サラダ等に使える様です。また、非常食としての乾麺がありますし、これからの季節は素麺などと食べる事も出来そうで楽しみです。
昨年、挑戦した梅の酢漬けは思わぬ形で活用されています。漬けた梅については、干して梅干しにするのが面倒なので、そのままご飯と食べたりしています。ただ、それよりも日常的に重宝しているのが、梅のエキスと香りが染み出た酢の方です。
これを冷酒用の陶器のぐい吞みに大さじ一杯くらい入れ、水で2倍に薄めて食事の時に飲みます。お酢それ自体が発酵食品であり、消化・食欲が促進されます。しかも、梅のエキスと香りが何とも言えません。
これらは簡単に自家製する事が出来、無添加の発酵食品でとても健康的です。食材も手に入れやすく、塩や酢はそれ自体を備蓄しておく事も可能です。
能登半島での災害から学ばせてもらえるように、その備えと言うのは、アルファ米や缶詰などを買いためておくよりも(それはそれとして必要ですが)、普段からの食生活にあるのだなぁと言う事が、自分でやってみる事で実感できます。
それは、お店の棚がカラになったからお手上げではなくて、庭や近所から調達して対応して行く事が出来ると言う事です。
危機対策の為にだけと言うのではなく、それは健康的・経済的な食生活としても言える事なのです。