目を閉じれば
空も飛べる
深い海にも潜っていける
誰も行けないような山の頂にさえも容易く行ける
欲しい物もカードの支払も気にせずに買える
食べたいモノも太ることなんか気にしないで食べられる
飼いたかった犬とも遊べる
長いお風呂も、アロマも、BGMもいらない
逢いたい人にも会える
さよならを言わずに別れた人にもさよならが言える
悲しくても笑っていられる
寂しくても誰かがいてくれる
苦しくても楽しい夢が見られる
目を閉じるだけで
それだけで幸せになれる
そう、今はそう思いたい
知る人の一人もいなければ
ここにいないのも同じこと
誰にも気付かれなければ
ここにいなくても気にもとめられない
居どころ尋ねる古い手紙が
今日も行方知れずと返ってくる
雑踏の中へ投げつけた礫(つぶて)に答える者はなく
坂を転げ落ちてくる
振り返ることもなく
海の底へとうずくまる
『がんばっている』
そう思う心が今の支え
誰に誉めてもらえなくても
誰にそしりを受けても
『懸命に生きよう』
そのことだけが自分の支え
たとえ同じ轍を繰り返していても
たとえ意味のない人生と笑われても


