
「いつも何度でも」で一躍知られるようになった木村弓さんだが、
私もあの歌で知り、CDを買い、コンサートに行った。
「いつも何度でも」以外の曲は、知られていないものが多いかと思うが、「流星」という素晴らしい曲がある。
言葉でその素晴らしさを表現できないが、耳なじみがいいとか、メッセージ性があるとか、そういうことではなくて、ただもう「いい歌だなあ」と感じることで十分なものだ。
高校生の頃バイトしていた喫茶店でよくかかっていた、チャック・マンジョーネの「フィール・ソー・グッド」、耳なじみのいい曲と言えばそれまでだが、何十年も過ぎた今でも褪せない、楽曲の、メロディーの、演奏の魅力、
そういう意味で木村弓さんの「流星」も、心の深いところ、心の中の海の底に横たわって、いつまでも静かに輝いている曲たちの一つだ。
「どんな曲だったっけ」などと忘れてしまうことは決してない。
自分の命の光具合の変化に合わせ、いろんな音楽が遠く近く、
カタチや色や匂いを変えてたち現れるが、
願わくば食べ物や水や空気のように、
飢えて渇いて貧しく寂しくなった心の中に、
「まあ明日またぼちぼちやれよ」
と優しく肩を抱かれるように、
音楽に撫でられたい今夜なのであった。

もうかれこれ25年以上にわたり、彼女のコミックを読んでいる。
「私も読んでいます」という人には、
この25年ほどで1人に会っただけなので、
読者であることを人に知らせたいと思わない人が読者に多いのか、
やはりそもそも読者が少ないのか。
作家の著書「パームシリーズ」には、破天荒なキャラ満載。
日頃はそれぞれ社会的には良識のあるオトナと見えなくもない登場人物も多いが、
それら脇役キャラの一人一人でさえ、過不足ない絶妙なセリフで物語をクリアにしていく。
私が一番感情移入してしまうカーター、自分の内面を表現することに非常な抵抗感を持つが、しかし言わねばという場面では大爆発、大暴走。
主役であるジェームス、リーダーをやろうとは本心から微塵も思っていないはずたが、何につけても彼をリーダーにせずにはいられない周りの人々。
そして彼は天才でありあらゆる力を駆使し、
自分のコミュニティーを守ろうとする。
自分が殺される状況以外での無用な殺生はしない。
ジェームスに「悪い人などこの世にいない。ただ一緒にいられない人がいるだけだ」と豪語された日には、もうノックアウトだ。
そしてカーター、ジェームスとも、心の底には果てしない孤独を抱えている(と思う)。そしてそれは誰の心にもあること。
孤独である自分を肯定した上で、誰かとつながって生きる、けれど自分を押し殺しはしない、だけど押し付けたりもしない。
心を許せる人たちと一緒に生きていきたい、という自分の中のメッセージに、正直なのだ。
獣木野生さんには、もう何も描くべき物語が無くなるまで、描き続けてもらいたいものだ。1年に1作でもいいので。
