久しぶりにお客さま列伝を更新。
小学校3年生と小学1年生ぐらいの姉妹が絵本を一冊づつ持ってレジに登場。
僕「2冊で2310円になります」
妹(手に握りしめていた1000円札をだす)
姉(手に持っていた財布から1200円をだす)
僕「・・・あと110円ですねー」(どうやら、それぞれ消費税分が入っていない)
妹(無反応)
姉「えっ」(あわてて、財布から小銭をだす)
僕(レシートと本を渡して)「ありがとうございました」
そして、レジから少し離れたところにて、姉妹喧嘩が勃発。
姉「おねえちゃん、めっちゃ出してんで」
妹「1000円だしたもん」
姉「それでも足りへんかったやん」
妹「でも、1000円だしたもん」
同じ会話が何度も繰り返され、僕が消費税の説明をしたほうがいいかなと思い始めたころに、姉が妹の目をじっと見つめて、ひと言。
姉「・・・まあ、お金の話はやめとこか」
『贖罪』をじっくりと読んだので冊数は少ないが、普通の小説の10冊、20冊分の読み応えはあった。
暗い過去を背負った主人公の苦しみを徹底して描きつつも、登場人物の視点の使い分けなど構成が上手いので重いテーマをぐいぐい読ませる。物語の意味が目まぐるしく変わる終盤の怒涛の展開。ラットマンというタイトルも見事だ。ラットマンとは心理学で使われるイラストで、文脈によってネズミにもお爺さんにも見えるように描かれていて、重要な鍵になっている。今年のこのミス3位以内は確実かなと思う。
ダンボール箱をかぶって生活する男ということで、てっきり人間恐怖症・引きこもり的な物語かと思っていたら違っていた。箱の中から世界を見る「覗く」ということがテーマだった。見るのではなく、覗くことによって一変する風景。ただ覗くだけなら、その視界の届く限りしかその変化を感じることができないが、自らダンボールをかぶり穴を開けることによって、世界全体を覗くことができる。だが、自分が覗いていると思っていた箱男は、じつは覗かれる側の存在に入れ替わっていき、読み進めていくほど誰が覗く側で、誰が覗かれる側か分からなくなっていく。そして、箱男を覗いているのは読者である僕であって、ついには読者である僕が小説の中から覗かれているような気分にもなってくるという、なんとも奇妙な実験的小説。
映画化「つぐない」原作。「全ての小説愛好家は読まなければいけない! 奇跡のような傑作。」と帯にあるので、ものすごく期待させられてしまい、こんなにハードルを上げてしまって大丈夫かと思っていたら、余裕で大丈夫という本物の傑作。登場人物、文体、構成、あらゆる要素が素晴らしい。
今さらながら読了。ラノベキャラの新本格推理。僕が10代の頃に読んだらはまったかも知れない。アマゾンのレビューなどを読むと、シリーズが進んで盛り上がっていくようで、この作品はそれほどでもないらしいとのコメントもあった。現在の世界最強文学レベルと言われる小説『贖罪』の次にラノベを代表する作品を読むというのうは貴重な読書経験だった。
暗い過去を背負った主人公の苦しみを徹底して描きつつも、登場人物の視点の使い分けなど構成が上手いので重いテーマをぐいぐい読ませる。物語の意味が目まぐるしく変わる終盤の怒涛の展開。ラットマンというタイトルも見事だ。ラットマンとは心理学で使われるイラストで、文脈によってネズミにもお爺さんにも見えるように描かれていて、重要な鍵になっている。今年のこのミス3位以内は確実かなと思う。
ダンボール箱をかぶって生活する男ということで、てっきり人間恐怖症・引きこもり的な物語かと思っていたら違っていた。箱の中から世界を見る「覗く」ということがテーマだった。見るのではなく、覗くことによって一変する風景。ただ覗くだけなら、その視界の届く限りしかその変化を感じることができないが、自らダンボールをかぶり穴を開けることによって、世界全体を覗くことができる。だが、自分が覗いていると思っていた箱男は、じつは覗かれる側の存在に入れ替わっていき、読み進めていくほど誰が覗く側で、誰が覗かれる側か分からなくなっていく。そして、箱男を覗いているのは読者である僕であって、ついには読者である僕が小説の中から覗かれているような気分にもなってくるという、なんとも奇妙な実験的小説。
映画化「つぐない」原作。「全ての小説愛好家は読まなければいけない! 奇跡のような傑作。」と帯にあるので、ものすごく期待させられてしまい、こんなにハードルを上げてしまって大丈夫かと思っていたら、余裕で大丈夫という本物の傑作。登場人物、文体、構成、あらゆる要素が素晴らしい。
今さらながら読了。ラノベキャラの新本格推理。僕が10代の頃に読んだらはまったかも知れない。アマゾンのレビューなどを読むと、シリーズが進んで盛り上がっていくようで、この作品はそれほどでもないらしいとのコメントもあった。現在の世界最強文学レベルと言われる小説『贖罪』の次にラノベを代表する作品を読むというのうは貴重な読書経験だった。
5月中旬発売の気になる文庫。『オシムの言葉』がはやくも文庫化。僕はまだ未読だが、以前、天声人語で紹介されていた部分がとても印象的だった。
サッカー日本代表のオシム監督は、祖国ユーゴスラビアの解体や、ボスニア内戦といった辛酸をなめてきた。それゆえだろうか。口をつく言葉は奥が深い。民族の悲劇が、名将の人生に、深々とした陰影を刻んでいるように見える。動じない精神力と、異文化への広い心が持ち味である。それを戦争体験から学んだのかと聞かれ、「(影響は)受けていないと言った方がいい」と答えたそうだ。「そういうものから学べたとするのなら、それが必要なものになってしまう。そういう戦争が…」
サッカー日本代表のオシム監督は、祖国ユーゴスラビアの解体や、ボスニア内戦といった辛酸をなめてきた。それゆえだろうか。口をつく言葉は奥が深い。民族の悲劇が、名将の人生に、深々とした陰影を刻んでいるように見える。動じない精神力と、異文化への広い心が持ち味である。それを戦争体験から学んだのかと聞かれ、「(影響は)受けていないと言った方がいい」と答えたそうだ。「そういうものから学べたとするのなら、それが必要なものになってしまう。そういう戦争が…」
第21回三島由紀夫賞
三島賞は『切れた鎖』田中慎弥に決まりました。芥川賞に落選した作品で受賞という、完全に芥川賞に喧嘩を売っている三島賞のスタンスは大好きです。田中慎弥は先日、川端康成文学賞という大きな賞ももらったばかりで、大躍進ですね。おめでとうございます!
ちなみに選考委員は島田雅彦、高樹のぶ子、筒井康隆、福田和也、宮本輝から小川洋子、川上弘美、辻原登、平野啓一郎、町田康へと一気に世代交代しております。
第21回山本周五郎賞
こちらも順当な受賞。『ゴールデンスランバー』はこれで本屋大賞とあわせて二冠です。今野敏は一昨年の『隠蔽捜査』での吉川英治文学新人賞受賞に続いて続編である『果断』が山本賞受賞という、シリーズで賞を取るという珍しいパターンになっております。人気と実力を兼ね備え、文庫の平台でもよく売れいる二人です。おめでとうございます!
こちらの選考委員は変わらずに、浅田次郎、北村薫、小池真理子、重松清、篠田節子という手堅いメンバー。
紹介しそこねていましたが、大江健三郎氏が独断で選ぶ大江健三郎賞の第2回の受賞作も『わたしたちに許された特別な時間の終わり』に決まっております。前回の受賞は長嶋有『夕子ちゃんの近道』。どうやら僕の好きなラインをついてくるようなので今後とも要チェックの賞です。
三島賞は『切れた鎖』田中慎弥に決まりました。芥川賞に落選した作品で受賞という、完全に芥川賞に喧嘩を売っている三島賞のスタンスは大好きです。田中慎弥は先日、川端康成文学賞という大きな賞ももらったばかりで、大躍進ですね。おめでとうございます!
ちなみに選考委員は島田雅彦、高樹のぶ子、筒井康隆、福田和也、宮本輝から小川洋子、川上弘美、辻原登、平野啓一郎、町田康へと一気に世代交代しております。
第21回山本周五郎賞
こちらも順当な受賞。『ゴールデンスランバー』はこれで本屋大賞とあわせて二冠です。今野敏は一昨年の『隠蔽捜査』での吉川英治文学新人賞受賞に続いて続編である『果断』が山本賞受賞という、シリーズで賞を取るという珍しいパターンになっております。人気と実力を兼ね備え、文庫の平台でもよく売れいる二人です。おめでとうございます!
こちらの選考委員は変わらずに、浅田次郎、北村薫、小池真理子、重松清、篠田節子という手堅いメンバー。
紹介しそこねていましたが、大江健三郎氏が独断で選ぶ大江健三郎賞の第2回の受賞作も『わたしたちに許された特別な時間の終わり』に決まっております。前回の受賞は長嶋有『夕子ちゃんの近道』。どうやら僕の好きなラインをついてくるようなので今後とも要チェックの賞です。


































