最近、早川書房が攻めています。
遅ればせながら、我が子の熱がやっと下がったので、本屋大賞の紹介を。大賞はご存知の通り『告白』の圧勝で決まりましたが、それぞれ魅力溢れる10作品が揃っていますので、ぜひ気になる作品を読んでみて欲しいと思います。
2009年本屋大賞
1位『告白』湊かなえ/双葉社
教師による生徒の殺人事件の暴露から物語は始まる。物語は章ごとに主人公が生徒やその母など毎回変わっていき、前章までに描かれていた物語が、次の章を読むことによってまったく違う意味を持つ物語へと書き換えられているところが読みどころ。語りかけてくる相手が変わることにより、人が持っている善悪の判断が、事実ではなく相手との共感によって決められていくということを、身を持って思い知らされる。
2位『のぼうの城』和田竜/小学館 強烈な個性を持つサムライたちの活躍を、シンプルで読みやすい文体で仕上げた新感覚歴史小説。歴史小説では時代設定など小難しい話が多くなりがちだが、脚本を書いていた著者らしく、テンポのいい会話文と見せ場の多いスピード感のある展開で、一気に読みきることのできるエンターテイメント小説になっている。
3位『ジョーカー・ゲーム』柳広司/角川書店 戦前日本の諜報機関を舞台として、超エリート集団が活躍する連作短編集。ミステリー小説としてもスパイ小説としても楽しめる。スパイ養成所”D機関”を設立した結城中佐など、魅力溢れるキャラの活躍する内容は、シリーズ化にも期待が持てる。
4位『テンペスト』池上永一/角川書店 琉球王朝の末期。中国と薩摩の支配に翻弄されるなか、その強靭な知性によって様々な苦難を切り抜ける男装の麗人が主人公。読みやすい文体と読みどころ満載の派手な展開はコバルト文庫風とか韓流ドラマ風などと評されている。こんなに波乱万丈な人間の人生は読んだことがない。
5位『ボックス!』百田尚樹/太田出版 勉強は得意だがいじめられていた過去を持つ高校生と、親友の天才ボクサーが互いに影響を受けあいながら成長していく様を描いたボクシング小説。「努力」「友情」「勝利」というジャンプ三大要素がふんだんに盛り込み、直球で王道で正統派の青春小説。
6位『新世界より』貴志祐介/講談社 呪術が使える人間が暮らす近未来を描いたSFファンタジー小説。迫りくる「悪鬼」、暴走する「業魔」。多くの仲間を失いながら、主人公たちが戦う敵とは何なのか。数多くの謎を抱えながら、懸命に生き延びるための戦いが繰り広げられる。貴志祐介はどんなジャンルを書いても傑作を生みだすことが、またも証明された。
7位『出星前夜』飯嶋和一/小学館 島原の乱を描いた歴史小説。物語の中心となる村や人物だけでなく、周辺の村の状況まで緻密に説明をして、いかにして島原の乱が起きたのかを描きだす。ひとりひとりの人間の行動が歴史をつくりだす。そして、その歴史の渦にひとりひとりの人間が翻弄されていく。人を描くとは歴史を描くことであり、歴史を描くことは人を描くこと。飯嶋作品のなかでは『始祖鳥記』に並ぶ大傑作。
8位『悼む人』天童荒太/文藝春秋 事故や事件などで人が亡くなった地を訪れて「悼む」行為をしつづけている青年は、末期ガンの母親の元にも戻らずに巡礼の旅を続けている。この「悼む人」が「聖者」なのか「偽善者」なのか、その答えはこの本のなかには書かれていない。エンターテイメント小説とは対極にある、読み終えたあとに深く考えさせられる小説だ。
9位『流星の絆』東野圭吾/講談社 ドラマ化もされて既にベストセラーなので、投票する人は少なくてこの位置にいる。けれど、ノミネートされている10作品のなかでは、もっとも幅広い層に楽しんでもらえる内容だと思う。東野圭吾の作品群のなかでは、抜群に面白いというわけではないが、このレベルの小説をさらりと書いてしまう東野圭吾に脱帽する。
10位『モダンタイムス』伊坂幸太郎/講談社 昨年度の姿の見えない敵に対して、いったいどのように戦えばいいのか、という問題にたいするひとつの答えがここにある。著者は昨年度の本屋大賞を受賞したので、今年はいいかと票が集まらなかった模様。といっても本屋大賞が始まって毎回欠かさずノミネートされている作家は伊坂幸太郎だけ。この作品が10位にいるということが、今年の本屋大賞のレベルの高さを証明している。
2009年本屋大賞
1位『告白』湊かなえ/双葉社
教師による生徒の殺人事件の暴露から物語は始まる。物語は章ごとに主人公が生徒やその母など毎回変わっていき、前章までに描かれていた物語が、次の章を読むことによってまったく違う意味を持つ物語へと書き換えられているところが読みどころ。語りかけてくる相手が変わることにより、人が持っている善悪の判断が、事実ではなく相手との共感によって決められていくということを、身を持って思い知らされる。
2位『のぼうの城』和田竜/小学館 強烈な個性を持つサムライたちの活躍を、シンプルで読みやすい文体で仕上げた新感覚歴史小説。歴史小説では時代設定など小難しい話が多くなりがちだが、脚本を書いていた著者らしく、テンポのいい会話文と見せ場の多いスピード感のある展開で、一気に読みきることのできるエンターテイメント小説になっている。
3位『ジョーカー・ゲーム』柳広司/角川書店 戦前日本の諜報機関を舞台として、超エリート集団が活躍する連作短編集。ミステリー小説としてもスパイ小説としても楽しめる。スパイ養成所”D機関”を設立した結城中佐など、魅力溢れるキャラの活躍する内容は、シリーズ化にも期待が持てる。
4位『テンペスト』池上永一/角川書店 琉球王朝の末期。中国と薩摩の支配に翻弄されるなか、その強靭な知性によって様々な苦難を切り抜ける男装の麗人が主人公。読みやすい文体と読みどころ満載の派手な展開はコバルト文庫風とか韓流ドラマ風などと評されている。こんなに波乱万丈な人間の人生は読んだことがない。
5位『ボックス!』百田尚樹/太田出版 勉強は得意だがいじめられていた過去を持つ高校生と、親友の天才ボクサーが互いに影響を受けあいながら成長していく様を描いたボクシング小説。「努力」「友情」「勝利」というジャンプ三大要素がふんだんに盛り込み、直球で王道で正統派の青春小説。
6位『新世界より』貴志祐介/講談社 呪術が使える人間が暮らす近未来を描いたSFファンタジー小説。迫りくる「悪鬼」、暴走する「業魔」。多くの仲間を失いながら、主人公たちが戦う敵とは何なのか。数多くの謎を抱えながら、懸命に生き延びるための戦いが繰り広げられる。貴志祐介はどんなジャンルを書いても傑作を生みだすことが、またも証明された。
7位『出星前夜』飯嶋和一/小学館 島原の乱を描いた歴史小説。物語の中心となる村や人物だけでなく、周辺の村の状況まで緻密に説明をして、いかにして島原の乱が起きたのかを描きだす。ひとりひとりの人間の行動が歴史をつくりだす。そして、その歴史の渦にひとりひとりの人間が翻弄されていく。人を描くとは歴史を描くことであり、歴史を描くことは人を描くこと。飯嶋作品のなかでは『始祖鳥記』に並ぶ大傑作。
8位『悼む人』天童荒太/文藝春秋 事故や事件などで人が亡くなった地を訪れて「悼む」行為をしつづけている青年は、末期ガンの母親の元にも戻らずに巡礼の旅を続けている。この「悼む人」が「聖者」なのか「偽善者」なのか、その答えはこの本のなかには書かれていない。エンターテイメント小説とは対極にある、読み終えたあとに深く考えさせられる小説だ。
9位『流星の絆』東野圭吾/講談社 ドラマ化もされて既にベストセラーなので、投票する人は少なくてこの位置にいる。けれど、ノミネートされている10作品のなかでは、もっとも幅広い層に楽しんでもらえる内容だと思う。東野圭吾の作品群のなかでは、抜群に面白いというわけではないが、このレベルの小説をさらりと書いてしまう東野圭吾に脱帽する。
10位『モダンタイムス』伊坂幸太郎/講談社 昨年度の姿の見えない敵に対して、いったいどのように戦えばいいのか、という問題にたいするひとつの答えがここにある。著者は昨年度の本屋大賞を受賞したので、今年はいいかと票が集まらなかった模様。といっても本屋大賞が始まって毎回欠かさずノミネートされている作家は伊坂幸太郎だけ。この作品が10位にいるということが、今年の本屋大賞のレベルの高さを証明している。
女性作家が豊作の月。新潮文庫の新訳シリーズも面白くなってきました。おすすめは『沖で待つ』に収録されている「みなみのしまのぶんたろう」。しいはらぶんたろう、という某都知事に似た名前の政治家&作家の男性が主人公の物語です。
1ヶ月でこんなに本を読んだのは久しぶりだ。
2009年本屋大賞ノミネート作品。日本SF大賞受賞。呪術が使える人間のコロニーが独立して点在する近未来が舞台。この奇妙な世界に辿りつくにいたる大きな縦糸と、その場面ごとを盛り上げる横糸が、絶妙のバランスで織り成す。貴志祐介は、どのジャンルの小説を書いても超一流。貴志作品の隠れた名作「クリムゾンの迷宮」が好きだった人は必読。
「おもしろい世の中」にするために日本を改造する数々の提案。「駆け込み乗車を無くすためにドアをギザギザにする」確かに、出社してきた同僚の顔に、歯型みたいなアザが縦一直線にあれば面白い。という冗談のものから「偽装、欠陥住宅を無くすため、建物の返品を認める」とか「参議院を抽選にする」などという効果抜群の提案も。パオロ・マッツァリーノさんが本当に立候補したら投票します!
「ハロー効果」「バーナム効果」などなど直感をまどわす様々な脳のトラップを紹介。自分を信用してはいけません。僕は自分の判断が信用できないということを信用しています。バブル経済から株価下降に振り込め詐欺まで、これを読めば説明がつきます。一家に一冊。一社に一冊。総理大臣室にも一冊置いて下さい。
太宰治・松本清張生誕100周年読書第一弾。太宰治名言集。中学生の頃に太宰治をたくさん読んだのに、こんな名言の数々をまったく覚えていない。すみません。へたれ名言レベル最強。他の言葉もどれも凄い。
「女に告白できるくらいなら、それができる男であったなら二十一歳、すでにこれほど傷だらけにならずにすんで居たにちがいない」「孔子は、三十にして立つ、と言ったが、おれは、立つどころでは無い。倒れそうになった。」「生きてゆくから、叱らないで下さい。」
2009年本屋大賞ノミネート作品。高校生が主役のボクシング小説。ストーリやらキャラがあまりに僕の大好きな松本大洋の「ピンポン」に似ている。展開が王道すぎて過去のスポーツ小説と重なるとこが多そうだが、正統派の魅力を備えた青春小説に仕上がっている。
2009年本屋大賞ノミネート作品。ライトノベルな時代小説。キャラ立ちしまくり。著者は元々脚本を書いていたそうで、文章はシンプルで読みやすい。読む時間と面白さの費用対効果は抜群。
2009年本屋大賞ノミネート作品。ドラマ化もされて既にベストセラーなので本屋大賞に投票する人は少ないかと思うが、ノミネートされている10作品のなかでは、もっとも幅広い層に楽しんでもらえそうな内容。このレベルの小説をさらりと書いてしまう東野圭吾に脱帽。
2009年本屋大賞ノミネート作品。直木賞受賞作。なんだか有名な書評家や作家先生をはじめ世間では「主人公にまったく感情移入できない」とか、「主人公が自分勝手で嫌い」などという理由で、この小説を評価しない人が多いようだ。僕も最後まで主人公に感情移入できなくて、その自分勝手さが嫌いだったが、だからこそこの小説は傑作だと思う。
2009年本屋大賞ノミネート作品。日本SF大賞受賞。呪術が使える人間のコロニーが独立して点在する近未来が舞台。この奇妙な世界に辿りつくにいたる大きな縦糸と、その場面ごとを盛り上げる横糸が、絶妙のバランスで織り成す。貴志祐介は、どのジャンルの小説を書いても超一流。貴志作品の隠れた名作「クリムゾンの迷宮」が好きだった人は必読。
2009年本屋大賞ノミネート作品。戦前の日本の諜報機関を描いた、ライトノベルな連作ミステリー小説。超エリートのスパイ集団ということで陸軍中野学校あたりが元ネタ。木島日記が好きな人は必読。続編が気になるところ。
2009年本屋大賞ノミネート作品。大佛次郎賞受賞作。島原の乱を描いているのだが、近辺の村で起きたことを固有名詞を多様して細かく列挙していくので、小説を読んでいるのに歴史書を読んでいるかのような読みごたえ。飯嶋作品のなかでは『始祖鳥記』に並ぶ大傑作。
関西本読書第3弾。関西の職人がつくったお洒落な「ええもん」をたくさん紹介。東京拠点の商業主義は無視して地場産業などを取り入れた、地域密着のものづくり。欲しいものばかりで財布と相談……。
関西本読書第4弾。昨年末のM1で一番面白かったのは決勝進出を逃したときに哲夫が叫んだ「思てたんと違う~」でした。実は写経が趣味の哲夫が「国語辞典」「漢和辞典」「ウィキペディア」などを駆使して般若心経を一字一句解説。笑いのセンスも抜群で楽しく読める入門書。
関西本読書第5弾。タイトル通りの内容で、大阪のガイドブックに最適。足を運んだその場所で、地名の由来からその土地の過去の歴史に思いを馳せるというのは、なかなか粋な旅行だと思います。でも、地名の由来と一緒に著者の若かりしころのエピソードまでも書かれているので、「ああ、ここで若かりしころの若一さんは酔いつぶれて寝たりしていたのか」という感慨深さも一緒に味わうことになる。
「おもしろい世の中」にするために日本を改造する数々の提案。「駆け込み乗車を無くすためにドアをギザギザにする」確かに、出社してきた同僚の顔に、歯型みたいなアザが縦一直線にあれば面白い。という冗談のものから「偽装、欠陥住宅を無くすため、建物の返品を認める」とか「参議院を抽選にする」などという効果抜群の提案も。パオロ・マッツァリーノさんが本当に立候補したら投票します!
「ハロー効果」「バーナム効果」などなど直感をまどわす様々な脳のトラップを紹介。自分を信用してはいけません。僕は自分の判断が信用できないということを信用しています。バブル経済から株価下降に振り込め詐欺まで、これを読めば説明がつきます。一家に一冊。一社に一冊。総理大臣室にも一冊置いて下さい。
詩人の人たちが「ことば」について様々な角度から掘り下げていく好エッセイ集。タイトルが素晴らしいです。言葉が乱れて日本語力が低下する昨今の状況を憂いて……などと勘違いする人がいるのを計算してのタイトルです。死んだことばとは、変化しない言葉です。あの頃の日本語と比べて今の日本語は、なんて話は詩人の誰もしていません。生きたことばと格闘する詩人たちの声に耳を澄ませば、そんな論議がいかに無駄なことかわかるでしょう。ふと、千の風になっての歌詞を思いだした。「私のお墓の前で泣かないでください/そこに私はいません/眠ってなんかいません/千の風に/千の風になって/あの大きな空を/吹きわたっています」
太宰治・松本清張生誕100周年読書第一弾。太宰治名言集。中学生の頃に太宰治をたくさん読んだのに、こんな名言の数々をまったく覚えていない。すみません。へたれ名言レベル最強。他の言葉もどれも凄い。
「女に告白できるくらいなら、それができる男であったなら二十一歳、すでにこれほど傷だらけにならずにすんで居たにちがいない」「孔子は、三十にして立つ、と言ったが、おれは、立つどころでは無い。倒れそうになった。」「生きてゆくから、叱らないで下さい。」
気になる単行本。我が子はペネロペを「ペーペー」と呼びます。















































































































