連作短編集。ミステリー色はうすく、人情話的な人間模様を中心に描いている。日本橋に赴任した新参者の加賀が、殺人事件の被害者や容疑者の足取りを追う中で、商店街の人たちに関わる謎を解いていく。それぞれの縺れた糸をほどいたとき見えてくる、人の優しさや温かさが胸を打つ。素直に楽しめる傑作だ。
「このミステリーがすごい」と「週刊文春ミステリーベストテン」で1位を取り、本屋大賞にもノミネートされている。この小説は東野圭吾でもっとも人気のある刑事・加賀恭一郎シリーズで、4月から阿部寛主演でドラマ化も決定している。ここまで確固たる評価を得る小説も珍しい。だがこれが東野圭吾の最高傑作かと言われたら、そうでもないという所が凄い。
