『1Q84』BOOK1・BOOK2/村上春樹・新潮社 | 砂場

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本の感想と日記。些細なことを忘れないように記す。

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村上 春樹
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1Q84 BOOK 2
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女殺し屋の青豆と作家志望の天吾の物語が交互に描かれる。発売時には続編がでると発表されていなかったので、物語が断ち切られたような結末に不満の声があがっていた。確かに謎はいろいろと残っている。もちろん主人公たちも、その謎に関わることの、その不安がこの物語の原動力となる。

だが彼らは謎を解くことではなく、自分の人生と向き合うことを選ぶ。そして、全てを受け入れて歩みだす。そこに将来の不安はあっても、過去に対して思い残すことはない。リトル・ピープルとは何か、空気さなぎとは何か。大切なのか、その答えを見つけるこではなく、別にあるのだと知る。

人が人として生きていく世界。答の見えない世界で人間が生きていくということ。その困難と希望がここにある。そういう意味では「BOOK1」「BOOK2」は「人間の書」と呼べるかも知れない。続編の「BOOK3」、その続編「BOOK4」があるか分からないけど、きっとそこでは「世界」が描かれることになるのだろうと思う。それとも、シンプルに広げた風呂敷を丁寧に畳んでいくのだろうか。

着地点が見えない、そもそも着地するのどうかも分からないまま、読者は「1Q84」の世界に留め置かれる。きっと、この状況に宙吊りにされることが「1Q84」を読むということなのだろう。そんなの嫌だ結末が知りたい、といくら叫んでもどうしようもない。空にはもう月がふたつある。