綿矢りさは描く人間はいつも気に入らない。アイドルになる少女は自分のことを深く考えることなく母親の言われるがままに動く。母親はプライドに囚われて生きている。父親の自己主張の弱さは歯痒いものがある。読んでいて感情移入がしづらいというのを超えて、登場人物たちの行動に反感を持って、イライラしてしまう。もう少し親近感を持たせてくれてもいいのに。これは『蹴りたい背中』もそうだった。だからこの本は楽しくないのだが、同時にこれが綿矢りさの魅力だなと思う。綿矢りさが描く人間は嫌な奴が多くて、それは僕に似ているのだ。
居心地の悪い読後感だったが、次回作も読みたいと思う。
★★★☆☆
■綿矢りさの本たち


