学校や会社、またはブログなど何かと文章を書くことがあるが、この本はただ体裁だけを整えて字数を埋めたいという人には向いていない内容だ。「書く力」=「考える力」ということが大切なのであって、文章を書くことによって考える力を鍛えることが目標だ。
いわゆる文章力ではなく、ここでは思考力や構成力を鍛えることが目的とされている。しかも抽象的な内容ではなく、とても実践的なところが、素晴らしい。この本に書かれているやり方を実践していけば、確実に読み応えのある内容の文章を書くことができるに違いない。こうしてブログで本を紹介している僕としても、書く力はぜひとも身につけたい所でもある。
実践的な部分は引用するには長過ぎるし、部分だと役に立たないので、目から鱗だった書くコツをひとつ引用しておく。
何かを書こうとした場合、その内容について、あまり人前で話さないほうがいい、といわれる。アイディアが盗まれるからではなく、話すことで満足してしまい、自分の中で書く内圧が低くなってしまうからだ。
これは盲点だった。そういえば、嫁や友人に話してしまったことはブログに書かないことが多い。これからは面白い本を読んでも黙って胸のうちにしまい込み、内圧を高めていきたいと思う。けっこう難しいかも。
★★★★★
■斉藤孝の「力」シリーズ