2月10日に発売された文藝春秋3月号に第136回芥川賞の選評と受賞作『ひとり日和』の全文が載っている。選評を読むと池澤夏樹だけが反対だったみたい。石原慎太郎と村上龍が珍しく同じ作品を推したということで仲良く受賞結果の記者会見にでていたが、この号には、その二人と綿矢りさの鼎談も掲載されている。「我らが青春の芥川賞を語ろう」というタイトルで、石原&村上が自画自賛の高笑いをしている姿が目に浮かぶ内容となっている。綿矢りさがこの濃い二人と喋っているというだけで読む価値のある貴重な鼎談だ。
直木賞は受賞作無し。2月22日発売予定の3月号に選考結果は掲載されるかと思うが、発売中の日経エンタテイメント3月号の記事で、選考委員の阿刀田高氏による会見での選評コメントが掲載されていた。3時間に及んで難航した選考会だが、決戦投票に残ったのは、池井戸潤『空飛ぶタイヤ』と三崎亜記『失われた町』。掲載されているコメントを抜粋すると、『空飛ぶタイヤ』は「多くのサラリーマンが実感を持って読める小説だが、新しく時代に訴えるものが欲しかった」、『失われた町』は、作品の「新しさ」と「読みにくさ」で評価が割れた。前作『となり町戦争』を上回っていないとの意見もあり、となっている。
僕は直木賞を北村薫『ひとがた流し』と予想したのだが、その選評コメントは、「円熟したベテランの小説だが、男性作家が女性を描いている甘さが最後まで残った」。なんだこのコメントは。男性作家が女性を描くというのが北村薫の売りなわけで、その手法でベストセラーをたくさん生み出し、たくさんの人に感動を与えてきた。そこを否定したら、まるで北村薫の作家人生を否定しているみたいじゃないか。
■関連図書
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