影を大切に、お金はその次 | 砂場

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本の感想と日記。些細なことを忘れないように記す。

マンスフィールド, 安藤 一郎
マンスフィールド短編集
なぜかわからないが海外文学が読みたい気分。昨日買った『マンスフィールド短編集』を読んでみる。ひとつめの話「園遊会」は上流階級の家の少女が主人公。自宅でパーティーを開く当日、家の近くで亡くなった人がいたときいた少女は、不謹慎なのでパーティーを中止しようと主張するも聞き入れられず、パーティーが終わったあと、残り物のお菓子などを持って、その葬式へと行くことになる。裕福な家庭の子供特有の無垢な心と、貧しい身分で苦労をしたからこそ得る達観の世界が通じあう様子は見事。

シャミッソー, Adelbert von Chamisso, 池内 紀
影をなくした男

でも、ちょっと今読みたいものとは違うなと別の本を手に取る。シャミッソー『影をなくした男』。金貨が好きなだけでてくる袋と引き換えに自分の影を悪魔に渡してしまった男の物語。子供向けなので読みやすく、100ページ程度と短いので読破した。主人公はお金は山ほどあるのだが、どうやら、この世界では影のない人は人間以下の扱いになるらしく、歩いているだけで石やら糞やら投げられて大変。住むところも追われ、婚約も破談。悪魔は今度は影と引き換えに魂を要求するも、主人公は断固拒否。普段は失敗の連続で弱音ばかり吐き、すぐに召使に頼りっぱなしのダメ人間なのに、なぜか悪魔にだけは強気なところがおもしろかった。