『「超」整理法』野口悠紀雄/中公新書 | 砂場

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本の感想と日記。些細なことを忘れないように記す。

野口 悠紀雄
「超」整理法―情報検索と発想の新システム

大ベストセラー。書類など整理するさいに、内容ごとに分類することがいかに効率が悪く不可能であるかということを証明して、「書類はタイトルと日付の書いた封筒に入れて棚の端から並べていく」という時間軸で書類を整理する「押し出しファイリング方式」を提唱している。

その前提条件から論理の道筋、検証など、本書はまさに整理を整理学という学問にまで突き詰めて考えている。整理のしかたは用途が違うのだから、人それぞれ自分なりもものを見つけないといけないわけだが、その基礎理論を身につけるには本書は最適な本ではないかと思われる。

情報整理の基本形
図書館方式  内容分類によって置き場所を変える
百科事典方式 タイトルの五十音順に並べる
検索簿方式  実物は到着順に置き、別途検索簿を作る。
「超」整理法 時間順に並べる

現在、僕の部屋にある本は「図書館方式」を採用していたため崩壊した。本の数が少ないうちは推理小説やらホラー小説、エッセイなどと分類しているのが楽しかったが、やはり分類不能なものが多くて収拾がつかなくなった。近々、引っ越す予定なので、そこでは著者名の百科事典方式を取る予定。

以下、気になった言葉のメモ

序章 あなたの整理法はまちがっている

受験勉強の弊害がさまざまに指摘されるが、一番大きな弊害は、すべての問題に正解があると思い込んでしまうことだと思う。

第一章 紙と戦う「超」整理法

前に「場所に関する人間の記憶はあやふや」と述べたが、それと対照的に、時間順に関する記憶はきわめて正確である。

一般に、本は捨てられない。いわゆる「センチメンタル・バリア」が高いのである。これは、誠に不合理な感情だから、どうしようもない。捨てられない以上、本の整理は絶望的だ。

このようなわけで、本と写真の整理は、ほぼ絶望的である。整理に関する本をいくら読んでも、満足のいく解決法は見当たらない。多分、誰もが諦めてしまったのだろう。電子的な保存、再生が容易になるまでは適切な方法は存在しないに違いない。

僕は毎日、絶望と闘っているらしい。まあ、捨てるのではなく返品なのだが。

第二章 パソコンによる「超」整理法

人間が一瞬のうちに把握し、識別できるのは、7個が限度だと言われている。これがMagic Number of Seven(魔法の7)として知られている法則である。(中略)ただし、十分に慣れていないものついて覚えられるのは、3が限度ではないかと、私は思う。

第三章 整理法の一般理論

「内容による分類をしない」というのは、資料・書類やコンピュータのファイル、つまり「情報」についてのことである。「モノ」については、分類して置き場所を変えなければならない。つまりデパート方式をとるべきだ。

第四章 アイディア製造システム

発想そのものに、手軽で都合の良いノウハウはありえないのだ。しかし発想を支援するための環境を整えることは、できる。(中略)それは、知的な人々をまわりに持つことだ。そして、さまざまな問題を話し合う。そこでの刺激の中から、アイディアが生まれてくる。

つまり、問題を考えていることが重要だ、ということである。とにかくも、ある仕事に取り掛かり、それに浸っていること、仕事に関し「現役でいる」ことが重要なのである。実際、ニュートンは、「どのようにしてい万有引力を発見したか」との問に対し、「つねにそれを考えることによって」と答えたという。

この文を読んでプロジェクトXを思い出した。あの番組で誰かが言った「夢中になるというのは素晴らしいことです」という言葉は、僕の胸に刻まれている。