- 桂 望実
- 県庁の星
本屋大賞ノミネート作品。3月25日映画化公開。主演・織田裕司・柴咲こう。
県庁に勤めるエリート役人(映画では織田裕司)が一年間の研修で民間のスーパーへと出向する。お役所仕事は完璧だが、書面第一で融通のきかないその姿に、お客様が一番で現場主義のベテランのパート(映画では柴崎こう。原作では20代の子供もいる40代女性)は苛立つ。最初はそのエリート意識ゆえに、スーパーの業務を見下していたが、いざ仕事を与えられるとプライドの高さ(負けず嫌いの性格)ゆえに完璧にこなそう一生懸命に働く。その姿をみたスーパーの従業員たちも心を動かされ、また、県庁さんも業績をあげるためには自分ひとりの力ではどうにもならなく現場の意見が大切ないことに気付いて…。
この本は、ひと言で言うと伊丹十三監督映画「スーパーの女」だ。続編映画で「スーパーの女2 県庁さんがやってきた」と言われても、誰も違和感を覚えないだろう。目新しさはないが、ストーリー展開は申し分の無い「スーパーの女」を踏襲しているだけあって、読み物として十分に楽しめる。序盤は両者のダメな面ばかりがでて、読んでいてイライラするが、後半はしっかりと盛り上がっていた。同じ接客業&小売業をしている僕としても、こうして売り場が甦るすがたは読んでいて胸のすく思いだった。
映画とは若干ストーリーが変わっているようなので(映画:恋人は社長令嬢、研修中に県庁のプロジェクトから外される、柴崎こうとの恋愛がある? 原作:恋人は合コンで知り合った胸の大きな女性、研修後は昇進が決まっている、ベテランパートからは息子のように思われている)比べてみるもの面白そう。