『東京タワー』リリー・フランキー/扶桑社 | 砂場

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本の感想と日記。些細なことを忘れないように記す。

リリー・フランキー
東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~


本屋大賞ノミネート作品。サブタイトルが「オカンとボクと、時々、オトン」とあるようにオカンのことを中心に描いた自伝的な長編小説。2005年度を代表する大ベストセラー小説だ(現在も売り上げランキングの上位に入っている)。感想でよく耳にするのは「泣いた」と「親孝行したくなった」。書店員として何か気の利いた読後感を述べたいところだが、やっぱり「泣いて」「親孝行したくなった」。ベストセラーの本にはそれだけの理由があるのだと改めて思い知らされる。

みうらじゅんの帯の推薦文

安心し過ぎて気にもとめなかったこと、あまりに日常的で退屈だと思っていたこと。優しくいたいけどいつも後回しにしてきたこと。それは、オカン。それぞれの人にオカンはいて、それとなく違うけど、どことなく似ているオカン。本当に大切な何かが、こんなに身近にあるなんて気付かせてくれたリリー・フランキー。あなたの考察力と文章力に参りました。05年、堂々の第7回みうらじゅん賞受賞作品!

単行本帯にはびっしりと著名人やら書店員の感想が書かれているが、みうらじゅんのこの文章がもっとも的確だろう。それとなく違うけど、どことなく似ているオカンという存在。読んでいると自分のオカンとだぶってくる。そうなったら、もう、終盤は涙が止まらない。この本がこんなに売れるのは、リリーさんの力も大きいだろうけど、なんといっても日本全国の愛すべき「オカン」の存在なのだろう。