1月上旬発売の文庫 | 砂場

砂場

本の感想と日記。些細なことを忘れないように記す。

いつもアマゾンに表紙写真がアップされてから更新をするのだけど、今月はさっぱりでてこない・・・。いちばん見せたかった『リトル・バイ・リトル』があるからよしとしましょう。今月は各賞受賞作が目白押し!


古川 日出男
二〇〇二年のスロウ・ボート

突然学校に行かなくなってしまった小学5年生の僕は都下の合宿所に連れて行かれる。そこで出会った彼女は運命の一人目だった(出版社ページより引用)

話題の古川日出男だが、本書は村上春樹の『中国行きのスロウ・ボート』の世界観を引き継いだ作品として単行本時のタイトルは『中国行きのスロウ・ボートRMX』だった(本書では文庫化に際して改題し、これは副題となっている。RMXはもちろんリミックスの意味。音楽と同じように小説でも名作はカバーされ、その時代その時代で新たに歌われるべきだと古川日出男は言う。
大道 珠貴
しょっぱいドライブ

港町で生活する34歳のミホが、へなちょこ老人九十九さんと同棲するまでの顛末を哀しくもユーモラスに描く、しょっぱい愛の物語(出版社ページより引用)

芥川賞受賞作。読んでいないので内容はわからないけど、タイトルは好きだ。『傷口にはウォッカ』『ひさしぶりにさようなら』などのタイトルは一度聞いたら憶えてしまう。
村山 由佳
星々の舟

禁断の恋に悩む兄妹、他人の男ばかり好きになる末娘、居場所を探す団塊の兄、そして父は戦争の傷を抱いて……心震える家族の物語(出版社ページより引用)

直木賞受賞作の連作短編集。村山由佳は男性のファンもいるところが(僕のまわりだけかも知れないが)、恋愛小説を中心に書く他の女性作家と違うところ。


島本 理生
リトル・バイ・リトル

ふみは高校を卒業してから、アルバイトをして過ごす日々。家族は、母、小学校2年生の異父妹の女3人。習字の先生の柳さん、母に紹介されたボーイフレンドの周、2番目の父——。「家族」を軸にした人々とのふれあいのなかで、わずかずつ輪郭を帯びてゆく青春を描いた、第25回野間文芸新人賞受賞作。(出版社ページより引用)

『ナラタージュ』で大注目の島本理生。解説で原田宗則が文章を絶賛している。前半よりも後半のほうが文章が上手くなっているそうな。そうれすごい。確かに『ナラタージュ』の文章は見事だった。まだまだ伸びる作家だとしたら凄いのだが。
透明感のある表紙写真は川内倫子!いま子供の写真を取らせたら日本一ではないだろうか。

浅倉 卓弥
君の名残を (上)
浅倉 卓弥
君の名残を (下)

「作者は、この受賞後第一作で自らに課した高いハードルを、完璧にクリアしてみせた。新人離れした大いなる飛翔力に嗟嘆の意を表したい。《時の意志》に翻弄される若い男女を通して、愛する者を救うとはどういうことか――を、渾身の筆致で紙上に映し出している。万感胸に迫るラストは、まさに涙なくしては読めない。時空ファンタジーに新たなる金字塔を打ち立てた感涙の一作だ。」 茶木則雄(書評家)(アマゾン単行本時の紹介文より引用)

『四日間の奇蹟』の著者による受賞後第一作。かなり多めに発注したのだが、本来これを買いそうな客層のひとたちは『白夜行』などドラマ化作品に流れているので、あまり動きがよくない。泣ける本ブームも沈静化だろうかな。