10月下旬発売の文庫 | 砂場

砂場

本の感想と日記。些細なことを忘れないように記す。

荻原 浩
コールドゲーム

『ぼくのたいせつなものをうばった君へ 君のたいせつなものをうばいに行くよ』突然の脅迫メールが、中学時代のイジメへの復讐を告げた。

高3の夏、復讐は突然はじまった。中2時代のクラスメートが、一人また一人と襲われていく……。犯行予告からトロ吉が浮び上がる。4年前、クラス中のイジメの標的だったトロ吉こと廣吉。だが、転校したトロ吉の行方は誰も知らなかった。光也たち有志は、「北中防衛隊」をつくり、トロ吉を捜しはじめるのだが ――。やるせない真実、驚愕の結末。高3の終らない夏休みを描く青春ミステリ。


昨年度の本屋大賞で2位になった『明日の記憶』で一気に人気作家の仲間入りとなった荻原浩は要注目作家。



四国はどこまで入れ換え可能か
佐藤 雅彦


「四国を入れ換える」とは、いったいどういうことなのか?? Let's錯覚!とは? 田中一郎って??――意表を衝く発想を独特のタッチで長閑に描く、マンガの枠に載せた新しい笑いの実験本。「ミニ象」や「忍者ちび丸」でほのぼのさせたかと思いきや、錯視図形・電気回路で急転ハッとさせる、破天荒かつインタレストな、油断のならないショート・コミック集。『ねっとのおやつ』改題。


佐藤雅彦は「バザールでゴザール」や「ドンタコス」「スコーン」「ポリンキー」などのCMを手がけ、ゲームでは「IQ」、さらに「だんご3兄弟」やTV「ピタゴラスイッチ」の制作などで活躍。慶應義塾大学教授もしている。「プチ哲学」「経済ってそうだったのか会議」と著書のベストセラーも多く、才能がある人は凄いなあと感心するばかり。


佐藤 多佳子
黄色い目の魚

海辺の高校で、同級生として二人は出会う。周囲と溶け合わずイラストレーターの叔父だけに心を許している村田みのり。絵を描くのが好きな木島悟は、美術の授業でデッサンして以来、気がつくとみのりの表情を追っている。友情でもなく恋愛でもない、名づけようのない強く真直ぐな想いが、二人の間に生まれて ――。16歳というもどかしく切ない季節を、波音が浚ってゆく。青春小説の傑作。

児童文学系の作家さんでは忘れてはならない佐藤多佳子。作家歴のわりに著書は多くないが、どれも評判がいいぞ。



三浦 しをん
しをんのしおり

「漫画の王国」に生れた小説家の乙女な日常生活。バンドを追っかけ上方へ、愉快な仲間と朝まで語り、わきあがる妄想の楽園に遊ぶ……色恋だけじゃ、ものたりない! なぜだかおかしな日常はドラマチックに展開――日本の政局も、家族の事件も、人気のTVドラマも、考え始めたらいつのまにかヒートアップ! 「読んで楽しく希望が持てる」、笑い出したら止まらない、抱腹微苦笑ミラクルエッセイ。


ウェブマガジン Boiled Eggs Online(http://www.boiledeggs.com )での連載をまとめた。最近は、小説もエッセイも定評があるぞ。