『疾走HOLIDAY』乙一/角川スニーカー文庫 | 砂場

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本の感想と日記。些細なことを忘れないように記す。

乙一
失踪HOLIDAY

表題作と「しあわせは子猫のかたち」の2篇を収録。


「しあわせは子猫かたち」
一人暮らしを始めた大学生の家に現れる、女の子&子猫の幽霊。引きこもりがちの主人公を、幽霊たちが規則正しく健全な生活に引きずり込む様子が微笑ましい。ミステリー的なオチもある好短篇。生きている主人公ほうが暗くて、幽霊たちが爽やかという逆の関係が絶妙だ。


「失踪HOLIDAY」
豪邸で暮らすわがままお嬢様がママハハと大喧嘩して家出。同じ敷地内の建物のメイド部屋に居座る。このメイドがのんびり屋でミスばかりするが憎めない性格で、傲慢なお嬢様にも素直にしたがって妙に居心地のいい家出生活になる。だんだんと癒されていくお嬢様だが、家出状態のままでずっといられるわけもなく…。コメディタッチで軽く読ませる。ラストはアクションシーンもあり盛り上がって、その後のオチも見事。


ふだん本を読みなれていない人や、これから小説を読もうと思っている中学生あたりには最適だ。ライトノベルだが本好きの人も納得するレベルは十分にある。