- リリー・フランキー
- 日本のみなさんさようなら
ほとんど一気読み。『東京タワー』が話題のリリー・フランキーが、邦画173点について映画評というわけではなく、映画を観て思ったことをつらつら書いている映画コラム。だから邦画に詳しくなくても、邦画にさっぱり興味がなくても日本人なら楽しく読める。もちろん邦画が好きな人ならより楽しめるのだろう。
高倉健を「健さん」として賞味するには物語の気温設定を下げるほどいい
永島敏行ってよくよく見ると坊主頭ではない
隠し事をおもいっきり言い当てられてうろたえる男の役のエキスパート殿山泰司
志賀勝の出演するどの映画を見ても、志賀勝は志賀勝としか存在していない
横溝作品はラテンな大量殺人にキーワードがからんでゆくが
清張作品はヘタしたら誰も死なないにもかかわらず、そのシンキ臭さは花も枯れるほど
気になるフレーズを選んで書き出していたら、いつのまにか読み込んでしまった。読んでいると邦画がみたくなる。面白そうとか、楽しめそうというだけでなく、邦画とは奥が深いのだなと、その日本的な深みに入り込んでいきたくなっていくリリー・ワールド。まったく興味の無い映画について書かれたコラムなのに、これほどまでに読ませる視点の切り口が抜群だ。小説についても、こういう書評を書ける人がいたらいいのに。