6月上旬発売の文庫 | 砂場

砂場

本の感想と日記。些細なことを忘れないように記す。

今回のラインナップはエッセイに面白そうなものが多いかな。


著者: 中島 らも
タイトル: 心が雨漏りする日には

著者: 中島 らも
タイトル: 牢屋でやせるダイエット

ともにエッセイ集。『心が雨漏りする日には』は躁鬱病のことが書かれている。『牢屋でやせるダイエット』は大麻所持で捕まった拘置所でのことが書かれている。もう一年近くなるのか。今まで中島らものエッセイの表紙ではイラストのらもさんばかりだったが、今回は写真。



著者: 米原 万里
タイトル: ヒトのオスは飼わないの?

ヒトのオスにはちとキビシイが、動物には無条件の愛を惜しみなくそそいでしまう。イヌとネコ計6匹との賑やかな日常を綴る傑作エッセイ


人気エッセイストであるロシア語通訳者の著者だが、なぜか我が書店ではあまり売れない…。



著者: 小林 聡美
タイトル: マダムだもの

オットのドタキャンでひとりで出かけた結婚記念旅行、夫婦で長生きのための地味な食事、犬の躾に発揮する「武士道精神」……。女優でマダムのつつましくも笑える日常を綴った名エッセイ。


犬の躾に発揮する「武士道精神」というのが気になる。


著者: 敷村 良子
タイトル: がんばっていきまっしょい

進学校に入学した悦子は、女子ボート部を設立し、エネルギーをボートに注ぐ。張り切る悦子だったが、体調を崩し、ボートが漕げなくなってしまう。痛く切ない「あの頃」を鮮烈に描く傑作青春小説。


第4回坊っちゃん文学賞受賞作。以前に映画化もされた作品で、来月から連続ドラマ化。1996年発行で長らく絶版状態だったが、めでたく文庫化。でも幻○舎文庫は話題性がなくなると重版かけないから……数年後は危険。


著者: 飯嶋 和一
タイトル: 雷電本紀

史上最強の相撲人・雷電を描いた傑作歴史巨編
異常気象、凶作、飢餓、疫病の蔓延と、厄災ばかりがうち続いた江戸天明期、後世まで語り継がれる一人の力士が彗星のごとく現れた。巨人のような体躯と野獣のような闘志で豪快に相手を投げ倒していくこの男に、抑圧され続けてきた民衆は未来への希望の光を見た。実在の伝説的相撲取り「雷電」の一生を、緻密な時代考証を踏まえドラマチックに描いて、飯嶋和一の名を世に知らしめた大傑作歴史巨編の文庫化!

河出文庫から移籍。飯嶋和一は小学館で固めるようだ。以前に読んだのだが本が見当たらなくて、パソコンの中に以下の文章だけ残っていた。


『本文より抜粋』
昨日までは相撲は所詮相撲であり、大けがをして二度と土俵に立てなくなったり死んだりするようなものではなかった。(中略)しかし相撲人も生身の人であり、単にその日の勝ち負けなどではなく、不具になったり死んだりする危険性を感じれば、とてもおいそれとは籤を引くこともはばかられる。(中略)
やれ「拵え相撲」だの、抱え先の藩役人たちが番付や本割りにも口をはさむだの、誰もがなけなしの金を籤につぎ込みながら、真剣でわたりあうような相撲を願う言葉を吐くが、いざそんな相撲を実際に突き付けられると、暴かれたのは、そう言っている自分自身の都合のよさそのものだった。


飯嶋和一の名を不動にした本書。緻密な時代考証があり、民衆と権力の間に立って人々の希望となる英雄を描く飯嶋和一のスタイルは本書で確立された。