第26回吉川英治文学新人賞『夜のピクニック』『幸福な食卓』 | 砂場

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本の感想と日記。些細なことを忘れないように記す。



著者: 恩田 陸
タイトル: 夜のピクニック

拍手したくなる。さすが吉川英治文学新人賞は精度が高い。選考委員は浅田次郎・伊集院静・大沢在昌・高橋克彦・宮部みゆき、と豪華な顔ぶれだ。公募でなく若手作家対象の新人賞で信頼感のあるのはエンターテイメント系ならこの賞で、文学系なら野間文芸新人賞と三島賞。

過去の受賞作を見ると、昨年は伊坂幸太郎『アヒルと鴨のコインロッカー』と垣根良介『ワイルドソウル』、一昨年には今話題の福井晴敏『終戦のローレライ』があるし、その前の年はベストセラーになった大崎善生『パイロットフィシュ』だ。中堅作家で実力があるはずの直木賞受賞作を読むより、新人対象だがこっちを読んでいるほうが良いのではと思わせる。

ということで、恩田陸は新人?と水を差すのは辞めておこう。いい小説なので、これで恩田陸も読者層が広がるというもの。『夜のピクニック』の書評は以前書いたので、こちらで



著者: 瀬尾 まいこ
タイトル: 幸福な食卓

瀬尾まいこ『幸福な食卓』はこの機会に読んで見よう。本書は評判がいいので、ここで紹介しようなかと思っていた。最近注目を集めている瀬尾まいこはいずれ読むつもりで、『図書館の神様』の文庫化狙いだったが、最高傑作と呼ばれるのなら本書を読んでみたい。

「父さんは今日で父さんをやめようと思う」
春休み最後の日、朝の食卓で父さんが言った。
私は口に突っ込んでいたトマトをごくりと飲み込んでから。
「何それ?」と言って、直ちゃんはいつもの穏やかな口調で「あらまあ」といった。
父さんが自殺を失敗したときも、母さんが家を出たときも、朝は普通にやってきた。そして、その悲しい出来事のあとも……。


あちこちレビューを見て回っても、絶賛ばかりだ。期待大。現在、出版社品切れで僕の勤める書店も在庫無しなので、「吉川英治文学新人賞受賞」の帯付きの重版がかかってから買うことにしよう。

著者: 伊坂 幸太郎
タイトル: アヒルと鴨のコインロッカー
著者: 垣根 涼介
タイトル: ワイルド・ソウル
著者: 福井 晴敏
タイトル: 終戦のローレライ (1)
著者: 大崎 善生
タイトル: パイロットフィッシュ
著者: 瀬尾 まいこ
タイトル: 図書館の神様