この季節は入学祝いに本を買って行くお客さまが多い。絵本のプレゼント包装をいくつかこなしつつ働く。もちろん図書券も入学祝いの定番なのでよく売れる。今まで何百回と図書券を売ってきたが、今日来た年輩の女性のお客様は衝撃だった。
「図書券3000円ぐらい下さい」
「は、はい。図書券3000円分でよろしいですね」
「ちょっとぐらいなら、高くなってもいいんですけど」
ここは肉屋かと。「ぐらい」とは何事だ。ちょっと高くなるとはどういう状況なのだ。量り売りで売られる塊のような図書券を想像して包装する手が震えた。