
著者: 雫井 脩介
タイトル: 犯人に告ぐ
連続児童殺人犯を捕まえるために、警察とメディアが手を結ぶ「劇場型捜査」という、小説ならではの設定。本格推理を除くミステリー部門では、昨年度、最も評判のいい小説だろう。2005年度本屋大賞候補作。10万部突破のベストセラー。週間文春2004年度ベストテン1位。このミステリーがすごい国内編8位。ダヴィンチブックオブザイヤーミステリー&エンターテイメント10位。
「犯人に告ぐ」というタイトルと帯にある「犯人よ、今夜は震えて眠れ」という引用文でかなりのインパクトがあるが、さらに帯裏には人気作家3人の推薦文がある。
絶賛!横山秀夫「幹が太く、枝葉の繊細さが心に絡みつく警察小説だ」
この推薦文で、まず横山秀夫ファンが本書を買ったはず。正統派警察小説というのは以外に少ないため、横山秀夫から警察小説に入ったものの読む本が見当たらなかった人は多いだろう。
喝采!福井晴敏「メディアという暴力装置と真っ向から取り組み、汚濁の中に一縷の希望を見出そうとする。この作品で著者は新たなステージに立った。」
今年は「亡国のイージス」「終戦のローレライ」と映画化が2本も公開されて、一躍有名になった福井晴敏の紹介文がさらに煽る。連続児童殺害犯を捕まえるために警察とメディアが手を結ぶというストーリーなのだが、メディアを暴力装置と言い切ってしまうところが上手い。警察小説に興味が無い人も、暴力装置としてのメディアは気になるところ。メディアに反感を抱かない人は、今の日本にはほとんどいないだろう。
一気読み!伊坂幸太郎「二章で読み終えた僕は、最高だねこれは、と興奮し、つづきが気になるあまり、風呂場でも読んだのでした。」
これで駄目押し。僕が読み終えた感想としては伊坂幸太郎の紹介文がもっとも近い。二章を読み終えたら続きが気になってしかたかなった。忙しくて一気読みはできなかったが、時間が許せば徹夜で読んだだろうと思う。僕は警察小説は苦手だったが、この本はすごく面白かった。警察内部のパワーゲームなど、踊る大捜査線からの影響も大きいかも知れない。事件ものというジャンルで言えば、僕のなかではホワイトアウト以来の傑作。