『仔犬に語る社会学』野村一夫/洋泉社 | 砂場

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本の感想と日記。些細なことを忘れないように記す。



著者: 野村 一夫
タイトル: 子犬に語る社会学

「サルでもわかる」や「ネコでもわかる」というのは定番だが「仔犬に語る」というのは始めてみた。パラパラめくっていると、少し笑ってしまう。ほんとに仔犬に社会学を説明している。「君たち犬の社会からすればおかしな話だろうけど、人間社会はね」といった調子で犬社会と人間社会の比較を交えつつ、小難しい社会学を仔犬相手にやさしい口調で語り聞かせている。

「サルでもわかる」というのが単なる誇張表現なのに対して、この「仔犬」に「語る」というのはまさにタイトル通りの内容。犬が社会学を理解できる分けもなく、当然、人間の言葉すら分からない。しかも「仔犬」なので犬の社会すらまだよく知らない。著者もそんな事は分かった上で、仔犬を相手に社会学を語っている。

退屈になって寝てしまった仔犬を相手に、やさしく丁寧に社会学の話を聞かせている犬好きの学者。そんな様子が目に浮かぶ。そんな二人をその横から見ているような気分になれる、ちょっと変わった社会学の入門書。