僕が文庫を並べていると、高校生3人組みが登場。僕を見つけると、スタスタ歩み寄りながら「なあなあ、小説ってどこにあんの?」と大声で尋ねてきた。僕は少し気合を入れて対応。
僕(30)「特に探しているタイトルとかありますか?」
高校生A「なんてタイトルやったけ?」
高校生B「さあ、お前が読みたいんやろ。俺は知らん」
高校生C「……」(タイトルを調べるためかケータイを操作し始める)
僕(30)「どういったジャンルですかねー」
高校生A「えーっと、ラブケイ」
僕(30)「……」
頭のなかで「ラブケイ」を「ラブ系」に変換するのに数秒かかってしまった。恋愛小説でもなく、ラブストーリーでもなく、「ラブ系」とは…。
小説の新ジャンル「ラブ系」の細かい定義を問い詰めたかったが、そこは我慢して聞き込みを続けると、探している本は最近出たものだと判明。「では、たぶんあちらのほうですね」と僕が単行本の棚のほうを指すと、高校生Aは「ありがとう!」と片手を上げて単行本の棚へ向かってダッシュ。その後ろをダラダラついていく二人。
僕が気を取り直して文庫を並べていると、探していた本が分かったと高校生Aが勢いよく戻ってきた。角田光代の小説は「ラブ系」らしい。