【後編】ライト級以上の逆転現象 | ボクシングライフW

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趣味と言うよりライフワークになっているボクシングについてとりとめもなく感じたままに

前回の続き。


日本経済が相対的な優位性を失った今、ライト級以上の世界王者を招くのは難しい。


世界ウェルター級王者の来日は1989年のマーク・ブリーランドが最後。なんと35年前だ。 


世界Sライト級王者の来日はファン・マルチン・コッジが最後。こちらも31年前。

ただし、WBSSで日本人が絡まない世界Sライト級タイトルマッチが横浜で行われた。


世界ライト級王者の来日はホセ・アルファロが最後。こちらは16年前。


世界Sウェルター級王者の来日は………誰が最後だろう?

思い出せない。


世界ミドル級王者はゲンナディ・ゴロフキンが一昨年、来日した。


ゲンナディ・ゴロフキンを日本に呼べたのは村田諒太のオリンピック金メダリストの威光。


世界タイトルマッチを組めばテレビ局が後援してくれる時代じゃなくなった。


更に旧ソビエトの国々が1990年以降大挙としてプロ入り。厳密に言えば1990年以前のボクシング世界王者は西側諸国限定の王者だったかもしれない。


しかし、ロッキー4の時代が現実でもやってきた。

ヘビー級はウクライナのクリチコ兄弟の手中に。同じくウクライナのワシル・ロマチェンコ、オレクサンダー・ウシク、カザフスタンのゲンナディ・ゴロフキンがPFP1位に。

今年、最もハイレベルな戦いが期待される試合はディミトリー・ビボルVSアルツール・ベテルビエフのロシア対決。


軽量級の人材は乏しいが、ライト級以上にアマチュアでしか耳にしなかった国々が大挙としてプロ入り。


世界タイトルが四団体に増えて、ライト級以上の優れた日本人ボクサーが増えても、世界との差は広がった。


だが、これが悪い傾向とは思わない。

世界王者が高く険しい山である事は喜ばしい。


日本勢の軽量級世界王者は勝って当たり前になり、感動は薄くなってきた。ならば中重量級にロマンを求めたい。