先般、元OPBFライト級王者 中谷正義が引退を表明した。
何度か食事を御一緒した。とても気遣いのできる好青年で、別れた直後は必ずメールを送ってくれる素晴らしい対応をしてくださった。
偶然だが私の勤務先のアルバイトをしていた時期があった。
そんな好漢、中谷の日本ライト級史における実力はいかほどだろうか?
日本ライト級………小坂照夫、ガッツ石松は時代が違い過ぎる。80年代を入れると浜田剛史も該当か………80年代と90年代を跨ぐ大友巌の全盛は80年代かな?
この時代はスピード&技術よりパワー&タフネスの時代。
ここは90年代に全盛を迎えたボクサーを対象に私的ランキングを選定。まずは中谷抜きで作成。
👑グッシー・ナザロフ
①ホルヘ・リナレス
②リック吉村
③畑山隆則
④坂本博之
⑤荒川仁人
小堀佑介はWBAライト級タイトルを獲得したがSフェザー級の印象が強い。
輸入ボクサーがトップ3を独占してしまった。
ライト級以上は世界が遠い為、国内実力者の直接対決が多い。それがランキングを難しくする。
坂本はリックに勝ち、畑山は坂本に勝ち、リックは畑山に勝っている………もとい、分の良い引き分けをしている。直接対決の結果を反映させたいが中々、難しい。
さて中谷正義はどこに入れるべきか?
個人的には畑山以上、リナレス未満。リックと同格位?
根拠?
全く無い。
ボクシングに三段論法は通用しないが、リナレスと共通の対戦相手 ワシル・ロマチェンコ戦で比較すると中谷をリナレスより上にするのは抵抗がある。
因みに中谷本人から「一番パンチがあるのはリナレス」と意外なお話を伺った。
畑山との比較はやってみなければ分からないが、ヒルベルト・セラノ相手に世界挑戦出来るなら中谷は世界王者になれたと思う。畑山はアメリカでフェリックス・ベルデホに勝てるかと言うと………個人的には厳しいと思う。
畑山や坂本の時代と違い、JBCが公認する世界タイトルWBA.WBCの二団体から四団体に増えた。だがボクシング人気が低迷し、日本に世界ライト級王者を呼ぶのは難しくなった。
ではリナレスと畑山の中間にランクさせたリック吉村との比較は?
コツコツ日本タイトルを防衛したリック、OPBFを防衛した中谷、何となく両者は似通ったキャリア。
ここは五分五分としたい。
90年以降、ここ30年の日本人ライト級で中谷が最強だったと思う。直接対決で中谷に勝った吉野修一郎がシャクール・スティーブンソンに惨敗後の再起ロードで評価を越えるかもしれないが。
関西と関東、そしてアメリカでも大きなインパクトを残した中谷。お疲れ様でした。