【中編】中谷潤人と山口圭司 | ボクシングライフW

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趣味と言うよりライフワークになっているボクシングについてとりとめもなく感じたままに

一昨日の続き。


アッパーをリードに使うと見映えは良い。だが顎が空く為、リスクは高まる。それ故にジャブと織り混ぜてフェイントとして使う事が多い。

サウスポーは特にリスクが高まる。オーソドックスの左フックをまともに貰いかねない。


その為、右アッパーをリードに使うサウスポーは少ない。近代ボクシング120年の歴史で、右アッパーのリードで最も有名なのはナジーム・ハメドだろう。


相討ちを恐れない相手、当て勘の良い相手からは結構、被弾した。

キャリアにおいて1度しか負けていないが、あれだけ話題になったのに歴代フェザー級オールタイムランキングで上位に挙げる人は少ない。


マロニー戦の中谷は長身のハメドの様に感じた。


過去に日本のリングにも長身のハメドが存在した。それが元WBAJフライ級王者 山口圭司。

このポーズからも右アッパーが好きなのがわかる↑

当時の関西ボクシング界は人気No.1の辰吉丈一郎、実績No.1の井岡弘樹の陰に隠れていたが、二団体時代に評価の高かったカルロス・ムリージョからタイトルを奪い、初防衛戦でもムリージョを返り討ち。

スピードは中谷を上回る。体格的にもよく似通っていた。

多分、私が見てきたボクサーの中で、最も生観戦をしたのが井岡弘樹、次いで山口圭司に思う。

カルロス・ムリージョ(再戦)を捌いた山口は素晴らしかった。とんでもないハンドスピードとフットワークでムリージョは何も出来なかった。
この時、山口の未来は輝かしい物に思えたが………残念ながらこの試合がベストファイトにして世界戦最後の勝利。

2度目の防衛戦でハメドスタイル………即ちアッパーを多用して2ラウンドで轟沈。敗戦後、妙に攻撃的になり無謀な打ち合いで沈む姿を何度も見せる事になった。クラスを上げたとは言え、倒され癖が付いてしまった。

日本タイトルを獲得した時は打たれ強いと思ったのだが………。

続く。