豪華四大メインイベントの第二試合。
WBOフライ級王者 中谷潤人がSフライ級でテストマッチ。相手は昨年、井岡一翔に挑戦したフランシスコ・ロドリゲスJr。
WBOフライ級王者でありながら強豪との対戦経験に乏しい中谷にはキャリア最強の相手。それがノンタイトルとは何とも皮肉。
昨年、敗れはしたが井岡から最もヒット数を奪ったのがロドリゲスに思う。とは言え刺青やら麻薬やらで叩かれまくった直後の井岡が相手であり、先般のドニー・ニエテス戦の井岡なら楽々と捌いただろう。
この試合が決まった時に頭に浮かんだフレーズは
【大きなフライ級 VS 大きなミニマム級】
お忘れかもしれないがフランシスコ・ロドリゲスは高山勝成とIBF.WBO王座統一戦をした元ミニマム級王者。
井岡、ニエテス、田中、ロマゴンと今のSフライ級には元ミニマム級王者が多い。
上のクラスでテストマッチをするならナチュラルなSフライ級と戦えば良いのに………と思わなくはない。
そんか中、下のクラスから巨大な中谷が襲来する………何だかおかしな気持ちだ。
この試合、サイズ的にはいつも通り中谷が上回るだろう。キャリアは圧倒的にロドリゲス。スイッチするロドリゲスだが、左ストレート、左アッパーが武器の中谷相手ならサウスポーで戦った方が得策。
他のミニマム級上がりのSフライ級ボクサー同様、ロドリゲスは決して簡単な相手ではない。ただし、中谷にとって体格的メリットはこれまで通りあると思う。
体型と優しい顔に反して意外と打ち合いが好きな中谷だが、ロドリゲス相手には慎重にスタートした方が良い。ロドリゲスは距離を詰めるだろうから、入り際にコツコツ当てて、動きを読んだ後にお望みの接近戦をしても遅くはない。
ただ、注意したいのはロドリゲスのボディ。
井岡は顔面には貰ってもあまりボディは打たせなかったが、ピボットステップから放つボディは中々の威力。長身選手には有効なパンチだ。
中谷が有利………と言いたいが現役世界王者でありながら、中谷の実力が今一つわからない。
フライ級最強の声が国内では多いが、対戦相手のレベルは現役世界フライ級王者5人の中で最も貧弱。
またほとんど打たれた事がないので耐久力も未知数。
この試合で王者と名乗るに相応しい力量を見せてほしい。