今回はリクエスト企画。
ブライアン・ミッチェルの強さについて。
ミッチェルは一言で表現すると非力なアウトボクサー。それでいながら南アフリカ最高のボクサーと評価される。
ここではミッチェルの強さについて評したい。
だがミッチェルはWBAJライト級タイトルを12度防衛後、IBFタイトルを獲得。特筆すべきは全て敵地で防衛した事。そして敗れずにタイトル返上後、引退した(再起するけどまた引退)。
これは当時、アパルトヘイトの為、南アフリカでの世界タイトルマッチが禁じられていた為。
非力なミッチェルが敵地で12度の防衛成功。
これは如何に強靭な精神力を持っているか、そして明確にポイントを奪えている証拠と言える。
ミッチェルの試合は結構見た。世界戦は全て、ノンタイトルも幾つか鑑賞した。
残念ながらキャリア唯一の敗戦試合のビデオは持っていない。確かこの相手にはリベンジして………リング禍でお亡くなりになった悲しい過去があったはず。
ミッチェルの長所は
①距離感に優れている
②ロープに詰まらない
③連打では無いが手数は多い。当たらなくても手を出す
④スタミナがあり、意外と打たれ強い
短所は
①パンチがない
②アウトボクサーにしてはスピードが今一つ
ミッチェルはボクサーの憧れるパンチ力とスピード抜きで勝ち続けていた。だから強さがわかり難い。
強さの秘訣は角度にあると思う。
ミッチェルと対戦する相手は空回りしている印象を受ける。即ち、パンチの出しにくいポジションをいち早く確保し、軽いながらもストレート系のパンチをポンポン当てる。
傍から見ると
「相手は何故手数を出さないのだろう?」
と思わせる。
しかし、ボクシングにはバックハンドブロー(手の甲で打つ)は反則。強いパンチは正面にしか打てない。
微妙に相手の外側をキープして相手に手を出しにくくし、自分はマスボクシングの様な軽いストレートを打ち続ける。
WOWOWエキサイトマッチの初期にミッチェルの試合が放送された。ジョー小泉氏は「ミッチェルがWBAからIBFに鞍替えして日本人には良かった」と言った趣旨を話した。
打たせずに打つにも色々ある。一番は相手のパンチの引きに合わせて警戒させる事。
だがミッチェルはポジショニングで相手の戦力を削いでいた気がする。
WOWOW開局前、WBA王者ミッチェルの対抗王者、即ちWBC王者はフリオ・セサール・チャベス、そしてアズマー・ネルソン。当時はミッチェルの方が数段、評価が低かった様に思う。
だが35年の月日が流れ、世界最大のボクシングサイトBOXRECのオールタイムランキングは下記の通り。