日本に縁のある元世界王者対決 | ボクシングライフW

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趣味と言うよりライフワークになっているボクシングについてとりとめもなく感じたままに

元世界王者は可能な限りキャリアを追い続ける。

それが日本人と対戦したボクサーなら尚更だ。


先月25日、非常に興味深い試合が行われた。

備忘録として観戦記は書いたけどお蔵入りするつもりだったが………この試合に触れるBlogger様が少ないので予定を変えて観戦記をアップ。


元WBAミニマム級王者にして田口良一からWBA.IBFライトフライ級タイトルを奪い、京口紘人のボディにギブアップした南アフリカのヘッキー・バトラー。

日本のボクシングファンにはディンガン・トベラ、モルティ・ムザラネと並ぶ著名な南アフリカ人のボクサーだ。



対するは高山勝成の挑戦を退けた前WBOライトフライ級王者  エルウィン・ソト。


しかもこの試合は寺地拳四朗の持つWBCライトフライ級挑戦者決定戦として行われる。実に興味深い。

初回、バトラーが足とジャブで距離を取る。

ソトは前に出るがバトラーの距離を詰められない。バトラーのジャブに右クロスを合わせようとするが踏み込みが足りない。

2ラウンド、ソトは左ボディでバトラーの動きを止めようとする。3ラウンドにはソトの右フックがヒット。

だがバトラーの足は止まらない。ひたすら動いて左右ストレートを伸ばすだけだが常にポジションが変わるので非常に厄介。

ソトは近付いてもバトラーはサイドに動く。

それでもひたすら攻めて左ボディをヒットさせるソト。見方によっては逃げている印象を与えるバトラー。採点は微妙。

8ラウンド、ソトは前進するが手が出なくなる。逆にバトラーの右ストレートが上下に突き刺さる。

9ラウンド、会場からブーイングが飛ぶ。手が出ないソト、足を使いまくるバトラー、双方への不満だろう。

以降もバドラーの足は止まらない。

ラストラウンド、この試合を象徴するシーンが訪れる。低く入ろうとするソトにバトラーの打ち下ろしの右がクリーンヒット。ソト、バランスを崩しダウンを喫する。


後のないソトは圧力を強めるが逃げきり体勢のバトラーの足は止まらない。

そのままゴングまでマラソンを続け試合終了。

判定は微差ながらユナニマスでバトラー。
あのスタイルで敵地メキシコで判定勝ち出来るんだな………。


これで次の寺地の防衛戦はバトラーに決まりだが………どうなるのだろう?
色々、聞いているがスムーズに行くのだろうか?

京口はよくバトラーをKO出来たと思う。あの試合があるから京口には拙戦も多いが期待してしまう。

一方、バトラーは寺地とは似た者同士。技術面で寺地が上回るがフェンシングの様な美しい左の突き合いを楽しめそう。

如何にビックマッチとは言え次も寺地が日本人と対戦したら4試合連続日本人対決。そんなタイトルは世界タイトルマッチとは呼べない。

しっかり指名試合が実現する事を願う。