人気のピークと地固め② | ボクシングライフW

ボクシングライフW

趣味と言うよりライフワークになっているボクシングについてとりとめもなく感じたままに

前回の続き

村田と井岡は視聴率が半分になっても耐えられる数字を持っていた。昨年の井上が半分になると流石にテレビ局から見捨てられるのではないだろうか?

井上が日本ボクシング史において二人(村田&井岡)の人気を越えるのはこれからだ。今のままでは三人が引退した後、井上が村田&井岡を越える人気ボクサーだったと記憶する人は少数だろう。ボクシングファンと世間様の認識は大分違う。

寧ろアメリカにおけるラリー・ホームズの様に「実力はあるけど人気はない」と記憶されかねない。そのホームズだってクーニー戦、スピンクス戦、タイソン戦、ホリフィールド戦は注目を集めた。

一昨年までフジテレビは思うようにGRPを消化できない大橋ジム興行を相当我慢して放送してきたと思う。やっと収穫の時。恩返しをしてほしい。

その為にも次が肝要。

右瞼が心配なので試合間隔を空けても仕方がない。4月25日なんて報道もあるがもっと先でも良いと個人的には思う。
強いが視聴率も集客力も今一つだったSフライ級時代に戻るのか、今以上の注目を集める存在になるのか、後者になる事を期待しつつ、次がどんなマッチメークになるのかを注目したい。

個人的にはWBO王者カシメロより、弟の敵討ちと言う世間受けする付加価値のあるWBC王者ウーバーリと戦った方が良いと思う。

今更ながら世界王者時代の内藤は凄かった。
それでもキャリア全体で見れば辰吉の人気には敵わない。世界戦に限れば内藤の方が視聴率は上だが、デビュー間もない頃からスターの辰吉の方が延べ視聴率、延べ集客数は内藤を越えると思う。

また、関東のボクシングファンに意外に思われるのが井岡叔父の集客力。単なる調整試合でも府立第一をほぼ満席にした。キャリアが長い為、延べ集客数は1980年以降ではトップかもしれない。後援会の力もあったかもしれないが………この話はデリケートなので横に置いておく。

話が逸れたが井岡&村田と違い井上はこれからの選手。現状に満足せず、更なる人気上昇を目指してほしい。
その為にもう少しファンを大切にしても良いと思うのだが。「ファンとは適度な距離」なんて言っているとの記事をYahoo!で読んだが………単にサインや写真を拒否しているだけ。
私個人にはバンタム級王者になる前、写真に応じて戴きとても感謝している。一方で観戦仲間、blog仲間からは悪い話も聞く。特に年間表彰、WBO総会はファンサービスに消極的だったと出席した方から聞いた。

上述したラリー・ホームズはアメリカのボクサーにしては珍しくファンを大切にしない王者だったらしいが、同じ様になってほしくない。

村田&井岡は年齢的にもあまり長くないかもしれない。若い井上が頼り。今の地位に満足していない事を願うし、ボクシング界の顔である自覚を村田から見習ってほしい。井岡からは見習わなくていい。

井上の語る「ボクシングが強ければ良い」との考えを否定するつもりは無いが、日本ボクシング界が韓国程に廃れていないのはボクシングファンやテレビ局のお陰とも言える。自らを高みに導いたボクシング界に恩返しをする気持ちが少しでもあればありがたい。

情は人の為にあらず。

これは間違って解釈される事の多い諺。人の為ではなく、自分の為にボクシングファンを大切にして人気の地固めをしてほしい。