【無常観】
一切は無常であるとする、ものの見方。
「永遠なるもの」
「絶対唯一のもの」に
価値を感じる西洋に対して
日本人の多くは
かたちのないもの
移ろいゆくものに
価値を感じるチカラをもって
いるといわれます。
高校生の頃に学んだ
鴨長明の『方丈記』。
当時は
「しぶーい!」と思っていましたが
あらためて読み返してみると
物事の本質をとらえた文章で
まさに【無常観】をあらわしています。
『方丈記』鴨長明
ゆく河の流れは絶えずして
しかももとの水にあらず。
よどみに浮かぶうたかたは
かつ消えかつ結びて
久しくとどまりたるためしなし。
<現代語訳>
流れていく川の流れは
絶えることがなく
それでいて、もとの水ではない。
流れの淀んでいるところに
浮かぶ水の泡は
一方で消えたかと思うと
一方ではまたできて
いつまでもそのままの状態で存在していることはない。
自分の思考も身体も
人間関係や地球の環境も。
一瞬、一瞬変わっている。
同じように見えても
まったく同じ状態では
存在しておらず
ゆらぎがあるということを
800年前に的確に
あらわしていた
鴨長明はすごい人です。
(*800年前だからこそ
書けた文章なのかもしれませんが・・・)
ちなみに、鴨長明は
下鴨神社(賀茂御祖神社)の
禰宜(ねぎ)・鴨長継の次男として
生まれました。
このご縁で、鴨長明が
晩年を暮らしたという方丈が
下賀茂神社に復元されています。
鴨長明の方丈庵(下賀茂神社境内内:復元)
ちなみに
日本三大随筆のあとの
お二人も神社にゆかりがあります。
『枕草子』の清少納言は
京都の車崎神社にお社があり
『徒然草』の吉田兼好の父
兼顕は京都大学のすぐそばの
吉田神社の神職でした。
(兼好さんは出家して
お寺のお坊さんとなりましたが・・・)
文学や歴史は
難しく感じるときもあるけれど
少し深堀してみると
面白いことや、勉強になることが
たくさんみつかります。
移ろいゆくものの価値を
わたしも、もっと大切に
味わいたいと思います。
明日は
宇宙人オレンジャーさんとの
コラボ対談です。
その時だけしか
感じられない空気を
一緒に感じましょう!