わずか50年で取り壊し…中野サンプラザの閉館にちょっぴり異議あり | ハッキヨイ!よっちゃん相撲日記

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 東京・中野区にある中野サンプラザの閉鎖、取り壊しが発表されました。

 

  ご存じない方もいるかもしれません。コンサートの開催などで知られてきた中野駅前にある複合施設で、地上21階、三角形の、なかなかユニークな建築物です。

 芸名を〝サンプラザ中野〟と命名したミュージシャンもいたほどで、コンサートはじめ多彩な催しが行われてきました。

 

  これが50年たち、あちこちガタがきたので、壊して、今度は62階建ての超巨大複合施設に建て替えるんだそうです。

 この計画を聞いたときは、ちょっと複雑な気持ちでしたね。

 

 実をいうと、個人的にもこの建物には親しみを感じてきました。

 この施設はもともと、集団就職で上京した若い人たちを支援するために建設されたもので、発足当時の正式名称は「全国勤労青少年会館」。

 

 施設はホールだけでなく、中には図書施設もあり、全国市町村から送られてくる「市町村だより」なども置かれていました。現役時代、企画のネタ探しによく足を運んだものです。

 

 何度かコンサートに出かけたり、宿泊施設もあったため、同窓会を開いたこともあります。息子の結婚式でも利用しました。駅に近くて利用しやすく、周辺住民にも親しまれていました。

 

 建築物は修繕、補強などを重ねて、建てた当時よりも堅牢なものになっていく、と聞いたことがあります(すべての建築物がそうだとは思いませんが)。

 

 先日、奈良を訪ねて、数百年前に建設された寺院などに、ため息をついてきました。

 

 プラハはじめヨーロッパ各地のビル、建物も見てきましたが、何百年も経た建物が街中にでんと鎮座しています。世界各国の観光客が絶えないのも、その歴史に触れたいからです。

 

 しかし、当時の最高技術でつくられたはずのサンプラザは、わずか50年でガタがくるようなやわな建物だったんですか。こうなったら各地にニョキニョキ建っている高層建築物の運命も、わかりませんね。

 

 壊して出てくる大量のごみは、どこに処分されるのでしょうか。超高層ビルの建設となると、セメントや鉄鋼はじめトイレからエアコンなどなど、けた違いの建築材料を提供する会社、産業は潤うかもしれません。

 

 そのために〝思い出なんて無用〟と歴史をかなぐり捨て、街の風景、生活を問答無用に変えていく。

 

 採算しか考えないような街づくりって、ちょっと悲しいですね。

 

 

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