横綱不在の初場所は、力ある力士が激しく優勝を争い合う〝群雄割拠(ぐんゆうかっきょ)〟になるかもしれないと、初日に書いた。10日目までは、少々予想外の展開になっている。
一歩抜け出すかと見ていた関脇豊昇龍は、5日目、大栄翔(西前頭筆頭)に敗れるとリズムを崩し、9日目には小結若元春戦で足を痛めて、10日目は休場してしまった。
先場所優勝の阿炎(東前頭3枚目)は6日目から4連敗。この日、ようやく黒星街道を脱けだしたが、先場所の勢いはまだもどっていない。
最も大関に近いと見られている関脇若隆景は、立ち合い変化で真っ向勝負を避ける(玉鷲戦)など、壁に突き当たっている感じだ。
このところ毎場所優勝争いを引っ張ってきた関脇高安も、早々と休場してしまった。
ただ一人の大関、貴景勝が気を吐いている。しかし首に慢性的な故障を抱えており、すんなりいくかどうかは、まだわからない。
1年最初の場所は、誰もが張り切って臨む。当然だが、ここまでの相撲を見ていると、意識過剰になった力士が、思うような力を発揮できていない気がする。
勝ちを意識しすぎるあまり体も心も硬くなり、柔軟性を欠いていないかどうか。
先日も書いた元横綱双葉山の相撲観を知るにつれ、〝心にシコリをつくらない〟ことがいかに大事なことか、を改めて考える。
双葉山は、体にも気分にもいわゆる「シコリ」をつくらないよう心がけ、日ごろ修練した力を十分発揮すること、その日その日の勝負にベストを尽くすことしか考えていなかったそうだ。
となると、余計なことをあまり考えずに全力を尽くす力士が、混戦の終盤を抜け出していく可能性もある。
![]()
↑ランキングに参加していますので、ポチッと応援していただけると嬉しいです