熱狂する町民 愛媛の「乙亥大相撲」 | ハッキヨイ!よっちゃん相撲日記

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  先日、NHKのテレビで取り上げられた、愛媛県西予市野村町の「乙亥(おとい)大相撲」は興味深い内容でした。

 番組のタイトルは「土俵の絆 国境を越えて」。

 

  野村町で江戸時代から170年も続く地域相撲を取り上げたものですが、人口7千人の町内で子どもから大人まで400人もの人が参加するそうです。

 

 アマチュアとプロの現役力士(幕下以下)が対決する日本でただ一つの大会、ということも初めて知りました。

 

 参加者は子どもから大人まで幅広く、男女の区別なし。毎年11月におこなわれる大会に向けて稽古を積み、熱戦を展開します。

 

 放映された取り組みはいずれも熱い内容でした。 

 出場する一人ひとりが全力を挙げる、追い込まれ、不利な体勢になっても、最後まであきらめない。どの選手も、張り手やかち上げなど、危険な相撲とはいっさい無縁の真っ向勝負。詰めかけた年配の女性はじめ幅広い町民から熱狂的な歓声が上がります。

 

 相撲の魅力、原点を感じました。

 

 大歓声を聞きながら、〝どんな手を使ってでも、とにかく勝てばいい〟と、現役時代に危険な張り手、かち上げをガンガン繰り出した白鵬(元横綱)などが出る幕はないな、と思いました。

  

 野村町では、7月にアメリカで開かれた国際大会(ワールドゲームズ)に出場する予定だったウクライナの選手に稽古の場を提供しました。

 

 ロシアの軍事侵攻でウクライナの選手たちが稽古の場を失い、大会の出場も危ぶまれていることを知った県など自治体が、住民の協力を得て選手を招待。選手は、国体出場の力を持つ職員を相手に稽古を積み、大会では金メダル3個を含む9個のメダルを獲得しました。

 

 戦争が終結したら、もう一度来日して、世話になった野村町の人に礼を言いたいと、ウクライナの選手たちは語っているそうです。まさに相撲が取り持った絆でした。

 

 これだけ相撲が盛んなところでも、最近はサッカーや野球などに引きつけられ、相撲に参加する子どもが減っているといいます。

 

 ただ、多くの町民に支えられ、稽古を積み上げながらたたかい、成長していく相撲の魅力は、きっと受け継がれていくのだろうな、と感じさせる番組でした。

 

      秋 ダリアと柿
 

 

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