土足で乗り込んだ地域で「ウクライナか、ロシアがいいか、さあどっちだ?」と、銃を片手に住民に迫る…。
ロシア軍が、住民投票という名目でウクライナの人たちに新たな選択を迫っている。
派遣されたロシア軍にも、多くの死者が出ている。ならば、地域まるごとロシアにして、ウクライナ人同士をたたかわせればいい。それがロシアの狙い、と指摘する人もいる。
考えてみれば、これは、かつて日本軍が中国などに踏み込んでいったときと、まるで同じだ。
歴史の勉強で知ったことだが、現地の、日本軍に逆らわない著名な人をトップにまつり上げ、いいなりになる政権をつくりあげて支配してきた。もっとも日本軍は〝住民投票〟といった、テマヒマのかかることはしなかったが。
戦後、世界中から批判されてきたことが、いま、もっと質の悪いやりかたで繰り返されている。
かつてのベトナム戦争と、反戦運動を思い出した。
世界の超大国アメリカが、アジアの小国ベトナムに乗り込み、1975年までの10年間、膨大な兵力、爆弾を投下する大戦争を繰り広げた。
アメリカが北ベトナムに投下した爆弾、焼夷弾は250万トンに達した。
第二次大戦の末期に、アメリカが日本に落とした爆弾が13万トン。それで東京はじめ全国各地が焼野原にされたことを考えると、ベトナムに投下された爆弾の量は、けた違い。想像を絶する。
これで約180万人のベトナム人の命が奪われ、アメリカ側の死者、行方不明者は170万人を数えた。
「アメリカはベトナムから手を引け!」という声と運動がアメリカはじめ日本、世界中で高まった。自分も、連日のようにベトナム反戦行動に参加した。若かった。
1975年、アメリカがついにギブアップ。そこに追い込んだのは、世界中に広がった反戦平和を願う運動だったことは間違いない。
いま、アメリカやヨーロッパ、日本でもロシアに対する批判が高まっている。支援も強まっているが、武器を中心にした内容は気になる。
アメリカなどから、殺傷力の高い最新鋭の武器が次々にウクライナに送り込まれているらしいが、果たしてこれでいいのか。アメリカでも日本でも、軍事産業はその裏で、笑いが止まらないぼろもうけ。いつまでも戦争を続けてもらいたい…。
しかし、戦争がエスカレートすれば、行きつく先は核兵器しかない。対岸の火事ではなくなっていると思う。
今、苦しんでいるウクライナの人たちへの最大の支援は「ロシアはウクライナから手を引きなさい!」という声と運動を世界中で広げ、強める。これしかないのでないか。
平和運動を進めておられる皆さま。心を痛めている庶民が参加できる運動を、もっと提唱してください。
〝ごまめの歯ぎしり〟しかできない人間の、切実な願いです。
![]()
↑ランキングに参加していますので、ポチッと応援していただけると嬉しいです
