若元春が強い!
4日目は人気力士の遠藤戦。立ち合い、先に遠藤が踏み込み、突いて前へ。それでも若元春は慌てず、遠藤の攻めを受け止めて押し返し、一気に突き出し。
これが見た目以上に強力だったようで、遠藤はなすすべなく土俵を割りました。初日から4連勝です。
4勝のうちの2番は、初日の佐田の海戦、3日目の宝富士戦とも、土俵際でうっちゃりです。
本人は「攻め込まれたものだから」と、納得していないようですが、最後まであきらめずにつかんだ逆転の勝ち星。もっと胸を張ってもいい。
このところの若元春の活躍には、目をみはります。
ご存じ、春場所に優勝した若隆景の1歳年上の兄。弟の活躍はめざましく、幕内での優勝はじめ一歩も二歩も先に番付を上げてきました。
初土俵こそ若元春の方が5年近く早かったものの、弟がぐんぐん先に昇進。新入幕に至っては3年近く先を越されました。
若元春が3年前、初めて幕下優勝を決めた時、(弟に)追いつくのも「やっとかな」と語っていたほどです。
それが今や、大関を目指しながらも苦労している弟にひたひたと迫ります。
名古屋場所では横綱照ノ富士と大接戦を演じ、「行司待った」がなければ初金星をつながる相撲で、一躍注目を集めました。
以前「(小結以上の)三役なんて顔じゃない(分不相応)」と、謙虚に語っていました。同時に「自分は根をつめ過ぎない方が心に余裕ができ、いい相撲が取れる」とも。
これを聞くと、強くなってきたのも、決してたまたま、偶然などではないことがわかります。
いま弟は〝次は大関へ〟などと注目されて苦労しています。
兄貴は、心に余裕をもって、のびのびとした相撲で、弟を激励してください。