猫も見守ってきた?若隆景の稽古 | ハッキヨイ!よっちゃん相撲日記

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 今振り返っても、春場所の関脇・若隆景(わかたかかげ)の相撲は見事なものでした。

 元横綱日馬富士(はるまふじ)を思わせる突き刺さるような立ち合い、強靭な足腰は、元横綱の初代若乃花(元相撲協会理事長)をほうふつとさせるという人もいます。

 

  春場所中、若隆景がこれからの相撲界を背負っていくキーマンになると、自分は書きました。それが春場所になるとは予想もしませんでしたが、その見方が的を外れていなかったことにほっとしています。

 

  今回の快挙は、ひとえに若隆景自身の努力によるものですが、彼が所属する荒汐部屋の存在も大きかったのではないか。

 

  部屋は、東京・港区の静かな住宅街にあり、お邪魔したことがあります。同部屋の蒼国来(そうこくらい=現荒汐親方)に話を聞くために出向いたものですが、稽古場に入って驚きました。

 

 どこの部屋でも、上がり座敷の真ん中には部屋の親方が座るものですが、荒汐部屋のそこでは、一匹の猫が座布団のうえに丸まって寝ていたのです。

 

 あとで知りました。同部屋にはモルとムギという二匹の猫がいて、いつも力士たちの稽古を見ていたのだそうです。

 

 そのとき見たのはどちらかわかりませんが、先代の荒汐親方(元小結大豊)は上がり座敷の端っこの方で、力士たちの稽古を見ていました。どんなに激しい稽古をしても、声をあがっても、猫はピクリともしない。

 

 そういう部屋で蒼国来も、若隆景三兄弟も生活し、稽古をしてきたのですねえ。

 

 蒼国来が大相撲の八百長事件で解雇されたとき、本人も師匠も「八百長には一切関与していない」と声明を発表。2011年、地位保全などを求めて、裁判を起こしました。

 

 力士が八百長問題で相撲協会を提訴したのも初めてでした。訴えが認められて裁判に勝ち、2年後、相撲界に復帰しました。

 

 定年を迎えた先代の師匠は昨年、その蒼国来に部屋を託し、第9代荒汐親方として指導者の道を歩き始めました。

 

 親方が代わり、稽古時間が短くなったそうです。その変化についてある力士は、一番一番に集中するようになり、「次の相撲ではこう取ろうと頭で考えるようになった」と語っています。

 

 指導者言いなりに動く力士も多い相撲界で、この変化は大変なことです。

 

 若隆景は、三兄弟のなかで「相撲のことだけに集中するタイプ」(長男の若隆元)で、猫の存在もあまり頭になかったかもしれません。

 ただ、こういう部屋、指導者のもとでのびのびやってきたことは多少なりとも影響しているのではないか。などと推測するのですが、強引ですかね。

 

 

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