新関脇の若隆景は10日目まで1敗、元大関の高安は負けなしの全勝。11日目の直接対戦は、若隆景の完勝に終わりました。
頭でがつんとあたり、差し手を争う激しい攻防。若隆景が二本のうでをこじ入れ、下から下から攻めて高安を寄り立てました。
これで全勝力士はいなくなり、両者が1敗で並びました。
千秋楽まであと4日。いよいよ目が離せなくなってきました。
それにしても若隆景の相撲から、すさまじい気迫が伝わってきます。
前日、同じ新関脇の阿炎を〝土俵に根が生えている〟ような相撲で粘って、破りました。
土俵下でこの相撲を見た藤島審判長(元大関武双山)は〝間違いなく大関候補〟と評しました。
〝無冠の元大関〟全勝の高安を破ったこの日の一番は、それを裏付けるものでした。
16日のブログで自分は、霧馬山と並んで若隆景が、これからの相撲界のキーマンになりそうだ、と書きました。
しかし若隆景は130㌔の軽量。大型化しているこの世界でどこまで通用するか。書きながらも期待と不安が交差していました。
ここまでの活躍は、その不安を払しょくし、予想をはるかに超えるスピードで〝キーマン〟になりつつあることを実感します。
そこでも書きましたが、相撲界は大型化真っ盛り。平均体重160㌔。大きな力士がガンガンやり合う相撲は迫力があります。しかしそれだけではどうも物足りない。
醍醐味は、機敏な動きで〝小よく大を制す〟ような相撲です。
その意味でも、若隆景の相撲は魅力満載。相撲界への大きな刺激にもなります。