尾車(おぐるま)親方=元大関琴風=が4月の定年を前に行った会見(21日)を聞きながら、弟子を育てる難しさについて、考えさせられました。
会見で尾車親方は「人が人を育てる、素晴らしい職業だと思うが、難しさも体現させてもらった」と語りました。
確かに、相撲界に入ってくる弟子たちは、年齢や生まれた環境、個性など、何もかも違います。そういう子弟を他人から預かり、伸ばし、厳しい競争社会でたたかえる人材に育てていく仕事ですから、実に大変なことです。
ですから、本場所で部屋の力士が登場すると、心穏やかに見ていられないという人もいます。ある親方が「いつもドキドキだよ。自分が相撲を取っていたほうがよっぽど楽だ」と、語っていたのを思い出します。
尾車部屋では、豪風(たけかぜ=現押尾川親方)、嘉風(よしかぜ=現中村親方)はじめ有力な力士が何人も育ちました。取材で何度か訪ねましたが、彼らは実に個性豊かで、のびのびと力を発揮していた印象があります。
親方自身、大けがで、首から下がマヒするなど大変な苦労をしてきました。必死にリハビリを続け、弟子の育成に力を注ぎ、協会の中心メンバーとして活躍してきました。
そのなかで「努力は裏切らない、自分で努力して、結果が出るまで努力しろ」と言い続けてきたそうです。
それが、弟子たちの胸にも響いたのではないか。そんな気がします。
人を育てるというのは、ほんとうに難しいことですね。
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10日目、高安が、1分を超える目まぐるしい相撲を制して、全勝を守りました。
新大関の御嶽海は、大学時代からのライバル・北勝富士の厳しい寄りに敗れて2敗目を喫して一歩後退。優勝争いはいよいよ熱くなってきそうです。
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