逸ノ城(いちのじょう=東前頭2枚目)が、新関脇の阿炎(あび)を破って勝ち越し。三役復帰も見えてきました。
立ち合いから踏み込んで、阿炎の突きをはね上げ、さらに前へ出て右からガっと突き落としました。
前日は、軽量力士の活躍を讃えておきながら、今日は206㌔、幕内最重量力士かよ、と言われそうです。
すいません、一貫性、節操のないやつだと思って、勘弁してください。
実は、先代の湊親方(元小結豊山)には以前、大変世話になったんですよ。そんなこともあって、モンゴルの遊牧民家庭で生まれ、育った逸ノ城が湊部屋に入門した時から注目してきました。
そして、彼の強さには目を見張りました。
新入幕の場所(2014年9月場所)で、初日から6連勝、さらに大関稀勢の里、同じく豪栄道、横綱鶴竜(いずれも当時)をバタバタ倒してしまったのです。
新入幕したばかりの力士が2大関1横綱を破ったのは、相撲の歴史上初めて。
それを目の前で見て、あまりの強さに、のけぞってしまいました。
怪物だ、すぐにでも大関、横綱に駆け上がっていくぞと言われたし、自分もそう思いました。
しかし、そう簡単でなかったことは、ご存知のとおりです。
それでも、いつかは復活するのではないか、怪獣がまた火を噴くのではないか。チラチラ思いながら見てきた。そういうわけです。
今場所は初日、大関御嶽海に敗れたものの、翌日から貴景勝、正代の2大関に連勝。10日目の玉鷲戦では、もろ差しになり、腰を落として攻める相撲。普段は巨体を生かした圧力で圧倒しているだけに、新境地か、と驚きました。
人並み外れた才能を持つ逸材、と期待も込められた「逸ノ城」のしこ名。
モンゴル遊牧民の強い風を土俵に巻き起こすような相撲を、もう一度、ぜひ見たい!
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若隆景が若手の琴ノ若を寄り切り、高安もどっしりした相撲で御嶽海を寄り切って、ともに1敗を守りました。優勝争いは、一段とヒートアップです。
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