相撲に限りませんが、力士にとって初日は特に緊張します。
横綱昇進がかかった先場所初日にも「普通っすよ」と淡々として話していた照ノ富士(てるのふじ)ですが、今場所ははたしてどうか。注目しましたが、初めての土俵入りも、相撲内容も堂々たるものでした。
初日は、同じモンゴル出身の、小結逸ノ城(いちのじょう)。けがや病気で足踏みしていたものの、このところ体調も安定。本来の力を取り戻して、13場所ぶりに三役に復帰してきた実力者。しかし内容は一方的でした。
立ち合い、照ノ富士がぐいと踏み込んで右うでをこじいれ、左で上手を取ってまわしを引きつけてグイグイ寄りたてる。逸ノ城は腰が伸びてなにもできませんでした。
先輩横綱の白鵬が、同部屋力士のコロナ感染で休場を余儀なくされ、初日から一人横綱の場所となりましたが、肩に力を入れず、最後までのびのびと相撲を見せてほしいと思います。
コロナとのたたかいはまだ当分続きそうです。入場料収入を柱にする相撲界にとって、無観客とか入場制限は大変な痛手です。それでもいまは耐えるしかありません。
地球の歴史は46億年、ウイルスや細菌など微生物の歴史は30億年、これに対してわれわれ人類(ホモ・サピエンス)の歴史はわずか20万年。人類はまったくの新参者です。
この歴史を考えると「人類はウイルスと共生で生きてきたという自覚が必要」と、寺島実郎氏(日本総研会長・多摩大学学長)がある雑誌で書いていました。
う…む。
そう言われてもなあ…
と思いますが、要するにイライラせず、冷静に、じっくりと行くしかない、ということですか。
いつ、どこで、どんなことが起こるかわからない時代に、照ノ富士も他の力士も、行司さんも、呼び出しさんも、コロナと向き合い、細心の注意を払いながら努力していくしかない、ということですね。
身近な人たちがコロナ感染に苦しむ場面に遭遇して、つい、哲学じみた?話になってしまいました。ご容赦くだされ。