22歳、幕内最年少の豊昇龍(ほうしょうりゅう)。先場所の活躍で上位との対戦が組まれるところまで番付を上げました。それだけに、新横綱の照ノ富士(てるのふじ)にとって今場所の調子をうかがううえでも、格好の相手でした。
立ち合い、豊昇龍が右に踏み込み、右をこじ入れました。しかし横綱はまったく慌てず、左上手を取ると投げで揺さぶり、右からグイッと寄り倒しました。
さすがです。横綱はほとんど動じず、伸び盛りの若手力士を一蹴しました。
それでも豊昇龍にとって、初めての横綱戦。持ち前の気の強さから言っても「次こそは」と、闘志を高める一番になったかもしれません。
いま、幕内力士の平均体重161㌔。そのなかで豊昇龍は132㌔と軽量ですが、大きな相手に一歩も引かず、闘志あふれる相撲が持ち味。先場所は200㌔を超える逸ノ城(いちのじょう)を、右からの下手投げで豪快に転がしました。
相撲部屋に入門すると、師匠がまず言うのは「飯を食え」「体を大きくしろ」。大きな相手と対戦するには大きな体が必要というわけです。最近は、入門時に150㌔を超える大きな青年も珍しくありません。
それでも大きくなる一方の体で、敏捷な動きがくりだせるものでしょうか。けがも多くなります。
かつて、横綱、大関まで駆け上がった力士の多くは、100㌔にも満たない体で入門し、鍛える中で徐々に大きくしてきました。そのため動きは敏捷で、鋭い、個性的な技で土俵を沸かせてきました。
〝豊昇龍の足腰は特別だよ〟などといわず、みなさん、体を大きくするだけでなく、もっと強い体をつくってください。
力まかせ、体まかせの相撲はどうしても一方的で単調です。
強い足腰になれば、相撲にも粘りが出てきて、取り組みが面白くなってきます。
魅せる相撲、手に汗握る相撲は、大相撲の魅力を広げるカギ、だと思いますよ。