127㌔の挑戦 | ハッキヨイ!よっちゃん相撲日記

ハッキヨイ!よっちゃん相撲日記

大相撲取材歴20うん年!よっちゃんです!

           

 新小結の若隆景(わかたかかげ)が、ようやく白星をあげました。実力からすれば遅いぐらいですが、気持ちの上ではほっとしているかもしれません。

 初日は、これまでまだ負けたことがなかった北勝富士(ほくとふじ)=東前頭3枚目=に、土俵際で突き落とされて逆転負け。二日目は横綱を目指す照ノ富士(てるのふじ)相手に激しく攻めたものの、慌てる気配のない大関に寄り切られました。

 

 この日の相手は翔猿(とびざる)=西前頭3枚目=。番付下位とはいえ、機敏な動きで土俵を沸かせる〝くせ者〟。どんな手でくるか読めない相手です。しかし立ち上がると下から突き上げて起こし、翔猿が反撃しようとするところをさっと引き落としました。

 2場所連続で技能賞を獲得してきた相撲内容、実力からようやくつかんだ小結。この勝利で硬さが取れていけば面白い存在になりそうです。

 

 相撲界に入った力士がまず目指すのは、十両。関取と呼ばれ、ようやく一人前になります。そして幕内に昇進すると次は小結以上の三役昇進。目の前のバーの高さがぐんと上がります。

 

  いま大相撲界に在籍する力士は約660人(名古屋場所)で、小結以上の役力士はわずか9人。この数字を見ても、若隆景や明生(めいせい)がたどり着いた小結という番付の凄さがわかります。

 

 小さな体ながら、大きな相手にも真っ向から挑む姿は魅力的です。これも、普段からきっちり稽古を積んでいるからこそ、の快挙です。

 父親の政志さんは、若隆景が相撲を始めた子どものころから「小さい子は稽古をしなくなったら終わりだよ」と言っていたそうです。激しく競い合う相撲界なら、なおさらです。

 

  127㌔の果敢な挑戦から目が離せません。