先日JW現役妻との離婚が成立した。
私がJWの活動を離れる前までは、共通の価値観を持ち将来の希望も同じで、本当に仲良く幸せな生活を送っていたと思う。でも私が組織と距離を置き始めることで、わたしたちの仲も段々とおかしくなっていった。
一緒に辞めてくれると信じていたけれども、それは向こうも同じでいつか戻ってきてくれると信じていたわけです。
妻は大会や記念式に私を誘ったり、JWを家に呼びたがり私と接触を図ってもらおうとする。それを断ったり、家を空けてJWと会わないようにする私。本音を語り合えない、騙し合いのようなそんな生活に疲れ約2年前に別居。
そこから本格的な離婚話が出たわけですが、妻としては離婚はしたくないの一点張り。現役JWとして離婚という選択肢は基本的にないのもよく理解できる。
私は何度も気の良い未信者のご主人のようになれないかと努力してきた。妻の宗教活動を私は尊重もするし、JWを続けることは本人の自由だと思っている。でも夫婦として、肝心なことで分かり合えないということの淋しさはどうすることもできなかった。
片やこの世は終わると考え、片やこの世はこれからもずっと続いていくと考えるようになった。この一つをとってみても二人の価値観は大きくずれ、同じ方向を向いて歩んでいくことはできなくなった。
悪いのは私なのだと思っている。一緒に楽園に行く、文字通り永遠の愛を誓ったのにJWを辞める選択をしたのは私のほうで、それは大きな裏切りなのもよく分かっている。
でも、組織の間違いや偽善に気が付いたのに見て見ぬふりをしてそのまま留まり続けることはできなかった。
そして、価値観も未来図も全く異なった人と共に居ることの淋しさと切なさに耐えることもできなかった。
何度も説得を試みた。組織の間違いを理路整然と話したつもりだったけれど、JW2世として何の疑いもなく育ってきた妻、両親も兄弟も親族も多くがJWである環境を考えると、組織を離れるという選択を彼女はできなかったのだと思う。
「楽園は絶対くるんだもん、そしてあなたと一緒に行くんだもん」と涙ながらに言われた時、もう説得はやめようと思った。信じたままのほうが幸せな人もいる、たとえそれが嘘や偽りであっても、騙されたまま生きていくほうが幸せな人もいるんだと思った。
でもそんな騙されたままの妻をこれからもずっと傍で見ていくことはあまりにも辛く、私にはできなかったのです。
少し前に妻の両親に離婚のお詫びをしに行った。妻と必要の大きな地で開拓奉仕をずっと続けてきたわたしたちを、本当によく援助してくれた。貧乏開拓時代には特にお世話になった。本当に優しいお二人で、私はそんな二人をも裏切り、悲しい思いをさせてしまっていることへの罪悪感でいっぱいになった。
妻は本当によくできた人で、何も不足はなかった。私が長老として忙しくしていた時も、文句一つ言わずいつも機嫌良くしてくれていた。会衆の人とも仲良く、みんなから慕われ愛されていた。控え目で、不平不満など一切言わない人だった。
ずっと支えてくれた妻には感謝の気持ちしかない。
JWを辞めて、色々な元JWの方にお会いしたけれど、結婚されている方はご夫婦で揃って辞めている人がほとんどだった。それは本当に羨ましく思った。
どうして私の妻は一緒に辞めてくれなかったのだろうか、私にやっぱり魅力がなかったのだろうか、もっとうまく説得できなかっただろうか、など色々考えた時期もあった。でもまあ結局は、妻は私よりエホバを選び、私との生活より信仰の道を選んだ、ただそれだけのことなんだとも思う。
JWを辞めて両親や兄とも疎遠になり、今回妻とも離婚になり、これで家族というものがある意味なくなってしまった。家族って一体何なんだろう。宗教がいつも優先される家族生活しか経験がない私が、これからまともな家族を作ることなどできるのだろうか。
色々と考えることはまだまだ多いですが、とりあえず一区切り。