久しぶりの更新です。


今回のアルバムは、

AORの名盤と名高い

Finis Hendersonの“Finis”です。

プロデュースはあのEarth Wind & FireのAl Mckay、

他にもJeff Porcaro(TOTO)やSteve Page(Mr.Mister)等など

超豪華ミュージシャンが参加してますが、

そういうのに興味がある人は絶対知ってると思うので割愛。


ちなみに、彼の名前ですが、

ネイティヴは「ファイナス」みたいに発音しますが、

日本では「フィニス」で通ってるようです。

なので、このアルバムを知ってそうな人と話す時は、

名前を発音する時に相手の反応を見ると面白いかも知れません。

個人的には激しくどうでもいいです。


さてさて、肝心の内容ですが

何はともあれ楽曲が素晴らしい。

80年代録音ということで、サウンドは確かにチキチキ・キラキラしてて、

しんどいところも無くは無いですが、そこを補って余りある程に曲が良い。

よく言われる捨て曲がない、なんていうレヴェルではなく

どの曲も本当にキャッチーで、2、3回聴いただけで大体の曲を覚えられる位です。

ディスコっぽいダンスナンバーあり、

70’S黒人ヴォーカルグループが歌ってそうなスローナンバーあり、

まさに80’sと言ったエッジの効いたAORもあったりと

曲の種類も非常に充実していて聴き手を飽きさせません。

なんとStevie Wonderの提供曲なんかもあります。


また、このHendersonさんの歌が実に良い。

歌唱スタイルのルーツはソウルにあると思われるのですが、

必要以上にねちっこくなく、矛盾しているようですが

Blue-Eyed-Soul(白人の歌うSoul)のように、

味はあってもくどすぎない感じが、非常に僕好みです。


あと余談ですが、たまに佐藤竹善さんの声にソックリで笑えます。

サウンドも曲も、一時期のSing Like Talkingに通じるところもあると思うので、

ファンの方にはオススメかも知れません。


とにかく非常に完成度の高い素晴らしいアルバムです。

アレンジも演奏も秀逸なので末長く聴けると思います。

激しくオススメ!


みなさん、こんばんは。

ヴォーカルのケンジです。

今回のアルバムは

山下達郎さんが82年に出した

6作目のソロアルバム“For You”です。

クイックジャパンの山下達郎特集(vol62)でも書かれていますが、

このアルバムの最も特筆すべき点は

全曲に通奏低音の如く流れる「多幸感」だと思います。

(マスコミへの激しい怒りを歌ったhey reporterをのぞく)

一曲目Sparkleの、「これぞタツローサウンド!」と思わせる

テレキャスターによるカッティングから幕を開け、

全くヒネリのない王道バラードYour Eyesで締めくくられるまで、

アルバム全体に一貫して漂う空気感は、

鈴木英人さんが手がけたこのジャケットよろしく

夏のよく晴れた日の空のように爽やかなものです。

そして、その爽やかさが、

それまで達郎さんに注目していなかったリスナーの心を掴み、

結果アルバムは大ヒット。

「夏だ、海だ、タツローだ!」

というキャッチコピーまで生まれる程だったそうです。

僕が山下達郎さんのファンになったきっかけは、

姉がダビングした、このアルバムのテープを聴いたことでした。

そして、僕も例に漏れずこのアルバムの持つ「爽やかさ」や「幸福感」、

そういったものに魅了されて、達郎さんの作る音の世界にのめりこんでいきました。

そして、しばらくはこの“For You”は僕の一番のお気に入りだったのですが、

彼の他の作品を聴き込んでいくうちに次第に

何故かこのアルバムに「嘘の匂い」を感じるようになって来ました。

御自身でも仰っていることですが、

山下達郎という人は、常にポジティブで楽観的な人、ということは決してありません。

このことは、今作品以降に出たアルバムの楽曲を聴けば明らかだと思います。

「信じていた約束など一つも叶わない」(メロディー、君のために/Pocket Music収録)

「きっと君は来ない、一人きりのクリスマス・イヴ」(クリスマス・イヴ/Melodies収録)

「こんな夜の中じゃ 愛は見つからない」(ターナーの汽罐車/Artisan収録)

僕は、こういうネガティブなところが

山下達郎という人の持つ体臭の一つなのだと思います。

好きな人はたまらなく好きで、嫌いな人は耐えられない、という類の。

だが、“For You”にはそれがあまり感じられない。

タツローサウンドに身を包んだ音楽は、紛れも無く山下達郎の姿をしているのに、

ひたすらに明るく幸せな言葉の世界観は、どこか彼本来のものと齟齬があるように思える。

そこに僕は「嘘」だったり「違和感」を覚えます。

「あなたって、本当にそんな人だったっけ?」と。

ポップ・ミュージックは、作り手の人間性を深く表現した芸術に昇華されることもありますが、

と同時にエンターテイメントであり続けられ、かつそれが当然のように許されている。

巧みな虚構の世界を作り上げて人々を魅了するのもポップ・ミュージックの領分であることは、

僕がこの場でとりたてて書くまでも無いことだと思います。

そして、そういう意味でこのアルバムが、

山下達郎作品の中で随一の完成度を持った作品であることは間違いない。

巧みな技術を駆使して、これほどまでに美しいフィクションを作り上げた手腕には脱帽です。

とは言え、このアルバムでは山下達郎という

素晴らしい人間の魅力がほんの一部しか出てない。

このアルバムだけしか好きじゃない、という人や

タツローはRCA時代だけで十分、と思っている人には

是非ともこれ以降の作品にも触れて欲しい、と強い思います。


しばらく更新が滞っていました。

流れを変えるべく、颯爽とボーカルのケンジの登場です。


さて、今回取り上げるのは、前から好きではあったけど、

「あぁ、アタシったら!気づけばこの頃アナタのことばかり考えてるわ☆」

と言う位最近ハマリにハマッテいる、

Donald FagenとWalter Beckerのバンド(?)Steely Danが

74年に発表した大傑作アルバム“The Royal Scam”(邦題「幻想の摩天楼」)です。


参加しているセッション・ミュージシャンの凄まじい演奏や、

(Kid Charlmagneのリズム隊とGreen Earringsのギターソロは必聴です!)

Donald Fagen・Walter Becker両氏の驚くべき作・編曲能力、

そしてGary Katzを加えてのプロデュースの巧みさ、などなど、

このアルバムについて語るべきことはたくさんあるのですが

なんといっても僕にとってこのアルバムの一番のオモシロさは「歌詞」に他なりません。


「遥か昔にこの絵を描いた人間は、おかしくなった現代を予想していたのかもしれない。」

という、現代文明批判として解釈できる“The Caves of Altamira”、

「ハイチでサクっと離婚、ハイハイー、オメデトウ!」みたいな

皮肉の塊を曲にしたみたいな“Haitian Divorce”、

「俺はコンドーム付けなきゃしないよ。」と、

セーフ・セックスを歌った“The Fez”などなど、

このアルバムの歌詞は本当にヒネクレにヒネクレて普通の内容のものがないです。

「よくもまぁ、そこまで・・・。」と感心してしまうほどです。


Summer Softでは「星が~」とか「オレンジの街を越えて~」とか

ロマンチックな歌詞ばかり歌っている僕ですが、

実は聴く方では、こういう意地悪なのもかなり好きだったりします。

というか、自分にはこういう類の歌詞は歌えないので、

無いものねだりのような感じで憧れてしまっているのかもしれません。


特に、恋人の浮気現場を押さえた怒りを

Donald Fagenが吐き捨てるように歌う、

“Everything you did”なんかには男の色気のようなものすら感じてしまいます。

その辺にあるものをなぎ倒しながら、妻(彼女?)を大声で罵倒しつつ

(ひょっとしたら殴ったりもしてるのかも・・・)

「ラジオのヴォリュームを上げろ!隣のヤツに聞こえちまうじゃねーか!」と怒鳴ったり

「あいつにしてやったことを全部白状しやがれ!」と言う下りなど、

寒気がするくらいの嫌悪感が沸くのですが、

と同時に、わずかに、ほんのわずかだけどセクシーさも感じられ、

それが何故だかとても印象に残ってしまうのも、決して否めないのです。

(別に、虐待って男らしくてセクシーだぜ、って言ってるわけじゃないですよ。念のため。)


それにしても、こんなにネガティブで攻撃的な歌詞なのに、

まるで下品に聴こえないのがこのアルバムのすごいところだよなぁと、僕はしみじみ思います。

ひょっとしたら、それは彼らの「とにかく、良い音楽を作りたい」、という強い信念が

一貫してこのアルバムに収録されている楽曲から伝わってくるからなのかもしれません。


なんにせよ、非常に聴きどころの多いアルバムです。

僕はきっと、死ぬまでこのアルバムを聴き続けると思いますよ。

life


●cardigans "life"

スウェディッシュポップバンド、カーディガンズが
1995年に発表した2枚目のアルバム。

1曲目の“carnival”は最近も車のCMに使われたり

どこかで耳にしたことがある方は多いと思います。


スウェーデンの名プロデューサー、トーレ・ヨハンソンの名前が
カーディガンズと共に日本で広く知れ渡ることになったCDです。


昨年“the perfect sky”がヒットしたボニーピンクを初めて聴いて
彼女の初期のプロデューサー、トーレ・ヨハンソンを知り
さらにこのカーディガンズに流れ着いた、という人も
結構いるのではないでしょうか。



このレビューで以前紹介した クラウドベリージャムとは
日本では“スウェディッシュ・ポップ”として
一緒に並べられることが多いと思います。


クラウドベリージャムの紹介の時は
『ボーカルは意外とハスキーでバンドはしっかりしている』と書いたのですが
カーディガンズの場合はジャケットから受ける印象の通り
『ボーカルはキュート系でバンドの演奏はルーズ』です。
(もちろん演奏が下手、ということではなくて
曲のイメージに合わせた最高のプレイをした結果なんだと思います。)


そのようにバンドの特徴がかなり違うにもかかわらず
スウェーデンのポップサウンドのもつ開放感は
共通して感じられて、聴いていて心地よいです。


このCDと次作“first band on the moon”は
ルーズでキュートでハッピーな雰囲気なのですが
4枚目の“Gran turismo”からは一転してヘビーなサウンドになって
それで売れ行きは落ちてしまった様です…。
バンドって難しいですね。



ヴォーカルのケンジです。

どーもです。


渋谷の宮益坂に

毎回ユニークすぎる選曲で僕を楽しませてくれる

「梵天」というラーメン屋があります。


先日、そこでつけめんをすすっていた時に突然かかって、

食事続行を色々な意味で困難にしたのが、

このKajagoogoo and Limahlの代表曲「君はtoo shy」でした。

(邦題からしてベタベタでしょ?)


まぁ、ジャケットを見て頂ければ

どういう音なのか大体は想像つくとは思いますが、

出てくる音はもろ80’sです。

「このチープな感じが、今聴くと逆にオシャレだよね!」

とかいう類のスノッブ的発言がまかり通らない位、

聞くのがしんどい80’sサウンドです。


ただ、僕は中学校時代に聴きまくったせいか

耐性が付いていて、聴くたびに妙な快感を味わえます。


と、まぁメチャクチャに言ってますが、

リマール様の歌もバンドの演奏も

実はかなりしっかりしているので、

音さえ耐えられれば楽しめると思います。


カラオケでノリノリでtoo shyとか歌う人がいたら、

僕は無条件で愛せそうな気がしますよ!