自分で音楽をやる人間が他人の音楽を聴く時

大きく分けて二つの聴き方があるんじゃないかと、僕は思っています。

それは、美味しいところを吸収して自分の音楽に取り入れよう、というお勉強的な聴き方と

単純に無心でその音楽を楽しむ、という聴き方です。


日本の誇る天才ミュージシャン、

細野晴臣さんが75年に発表したこの大名盤“Tropical Dandy”を聴く時の僕は、

もちろん、何も考えないで音楽に身を任せることにしています。


だって、すごすぎて参考になんてならないんですもの。

次元が違い過ぎます。


内容は、氏がニューオリンズや中国、カリブ、ハワイ等などを吸収して

独自の方法でミックスして再生産した、「国籍不明」のトロピカル・ミュージックといった感じ。

常人にはとうてい思いつかない、めくるめくヘンテコな世界がそこにあります。

(興味がある方は是非、細野晴臣著の「地平線の階段」を読んで見てください。)


目覚めながらにして夢を見る、という貴重な体験が出来る一枚です。

是非是非、御一聴下さいませ。



日本人ミュージシャンが続きます。

今回は皆様ご存知、今井美樹の5枚目のアルバム

“retour”です。(1990年)


さて、突然ですが、Summer Softのメンバーは

レンタルCD屋や中古CD屋の100円コーナーで昔流行ったCDを発掘して

車での移動中に聴いて「あーだこーだ」話すのが好きだったりします。


たまに大当たりがあって面白いので

女性アイドルのCDを買うことが多いのですが、

良くても悪くても聴くたびに必ずと言って良いほどこう思います。


「あ、今井美樹って本当すげーんだな。」と。


そしてそんな彼女の作品の中でも、特にこのアルバムは完成度が高いと思います。


作詞を担当しているのは今井美樹本人と岩里祐穂等。

岩里さんは今大流行中「一万年と二千年前から~」でお馴染みのアクエリオンの作詞をされた方でもあります。


作曲はKANや上田知華、そして佐藤準さんなどなど。

YAWARAのオープニングとしても有名な

僕の大好きな楽曲「雨にキッスの花束を」はKANさんの作曲です。


演奏も腕の立つスタジオ・ミュージシャンでそつなく固めています。

個人的には今剛さんの細かくファンキーな単音のカッティングにしびれます。


応援ソングのような「幸せになりたい」

不倫の恋のわびしさを歌った「半袖」などなど、

女性向けに作られた楽曲が多いのは確かですが、

古内東子さんなんかとは違い、

男性には聴きづらいなんていうことは無いと思います。


音楽をかなり聴いている人にこそ

かなりオススメできる作品です!

是非聴いてみてください!

超オススメです!




今回紹介するのは、

日本のシティポップス界の重要人物

吉田美奈子さんの82年の作品“Lightn' Up”です。


山下達郎の参加はもちろんのこと、

ブレッカー兄弟、デヴィッド・サンボーン等の超大物も参加して

トータルで見てレア・グルーヴ好きを十分に満足させる

メロウかつグルーヴィーな出来なのですが、

僕はなんと言っても2曲目の「頬に夜の灯」が好き。

アルバムのクオリティは全く低くないのですが、

僕はこのアルバムはコレだけあればおなか一杯になれます。

シティポップスの中で一番好きな曲かも。


話は変わりますが、

うちのギターのゆきちさんの書く詞は

吉田美奈子さんの作風に似ていると思ってます。


Summer Softの世界観が好きな方は

是非是非吉田美奈子さんのソロや

詞を提供しているRCA時代の山下達郎さんの作品を聞いてみて欲しいです。




久しぶりの日本人のミュージシャンです。

今回は僕がソングライターとして尊敬してやまない

堀込高樹さんが在籍する兄弟バンド、キリンジの3枚目を紹介をしたいと思います。


1枚目、2枚目と独自のポップス観を展開して

歌詞、メロディー、サウンドプロダクションと、

どれをとってみても平均を遥かに上回るクオリティーの仕事をしてきたキリンジですが

個人的には今ひとつ決定打に欠け、マニアック過ぎる印象が否めませんでした。


しかし、しかしこの三枚目は恐るべき出来に仕上がってます。

本当にカンペキといっても差し支えない完成度です。

ポップネスと毒のコンビネーションの巧みさは

あのSteely Danの名盤達と較べても決して遜色の無いものだと思います。


「悪玉」と「メスとコスメ」が出色の出来ですが

他の曲も本当に名曲揃いです。


キリンジのピークはこの「3」にあると思ってます。

本当に素晴らしいアルバムだ!!!




またまた、ド名盤。

1973年にIsley Brothersが発表した

ヒットアルバム“3+3”です。


バンドアンサンブルが全体的に若干雑に思えなくもないですが、

そこがライブっぽくてたまらないです。

ジミヘンを彷彿とさせるアーニーのギターと

ワイルドなクリス・ヤスパーのキーボードが聞き物です。


Ronaldの名唄がシビレル名曲“That Lady”や

Sugar Babeの“Down Town”のモデルになったと言われる“If you were there”なんかが特に目立ちますが、

James Taylerの“Don't Let Me Be Lonely Tonight ”

“Summer Breeze”、ドゥービーの “Listen to the Music”なんかを聞くと、

本当にこのバンドはカヴァーが素晴らしい、と改めて気づかされます。

原曲をきちんと消化して自分達のカラーに染め上げるのがカヴァーの基本です。

それが出来ないならカヴァーなんてやめちまえ、と僕は常日頃から思ってます。


話がそれてしまいました。

このアルバムも一曲も捨て曲が無いです。

SoulとかFunkとか好きな人は大体気に入ると思います。

是非聴いてみて下さい!