イロモノが二個続いたので、

ここらで路線を戻して行きたいと思います。


アメリカの偉大なシンガー・ソングライター

James Taylorの70年の作品、

“Sweet BabyJames”です。


この人は、「フォーク」にカテゴライズされるのでしょうか?

その辺は疎いので、僕には良く分かりませんが

何故だか「フォーク」に余り興味の無い僕も

この人のこのアルバムには挽きつけられるモノがあります。


サウンドや楽曲自体は

かなりストレートでアーシーな印象を受けますが

力の抜けた声がとても優しくソウルに通じるところがあり、

ブラックミュージックの方を好む僕も心地よく聴けます。


“Fire and Rain”という曲がヒットしたようですが、

そのほかの曲も佳曲揃いです。

僕は“Sunny Skies”から“Stream Roller”の流れがお気に入りです。


疲れた耳に心地よいと思います!



前回のDan Hicksに引き続き、

冗談だか本気だかわからないミュージシャンを紹介します。


Dr. Buzzard's Original Savannah Bandは

ニューヨークはブルックリンにて結成された

ビッグ/スウィング/ディスコバンドみたいです。

もう、この時点で既に怪しい匂いがプンプンしますな。


このアルバムは96年に出されたベストアルバムです。

ヒット曲 "Cherchez La Femme" / "C'est Si Bonや

"I'll Play the Fool."なんかは入ってますが、

漏れているヒット曲もあるみたいですね。


このアルバムも、色んな音楽が猥雑にごったがえしているので

聴く人を選ぶ一枚かとは思います。

あまりディスコディスコはしていなく、

どちらかといえばビッグ・バンドっぽくもあるので

映画音楽とかが好きな人なんかははまるのかも。


ギターのゆきちさんも好きみたいです!

まぁ、興味あったら聴いてみてください!




決してセンスの良いとは言えないジャケットですが

中身は素晴らしい出来です。

知っている人は知っているDan Hicksの

1978年発表“It Happens One Bite”です。


元々、ラルフ・バクシという人の

アニメ映画のために書かれたようですが、

映画が結局お蔵入りしてしまった為、

この作品は単独でリリースされたようです。


内容は、そのエピソードを聞いて納得!、という感じの

なんとも怪しく、しかし「のどか」でシュールな世界観です。

スイングやジャズ、カントリーがごちゃ混ぜにされ

平和なんだか不気味なんだか良く分からないです。


ヘンなものが好きな人にはオススメです!



突然ですが、ライブ盤が好きです。

じっくり丁寧に作りこんだスタジオ盤も良いのですが、

そのミュージシャンの色が一番出るのはライブだと思います。

そして、山下達郎のこの作品、

“JOY”(1989)も、氏の個性がギッシリと詰まった名盤です。


“Sparkle”や“Ride on Time”などの人気曲が入ってるのはもちろんのこと、

Sugar Babe時代の“Down Town”、Niagara Triangle Vol1収録の“ドリーミング・デイ”

シングルのB面のみの収録だった「あまく危険な香り」

竹内まりやへの提供曲“Plastic Love”、アン・ルイスへの“恋のブギウギトレイン”、

Delfonicsのカヴァー“la la means I love you”、Beach Boysの“God Only Knows”

などなど、ファンにとってはたまらない選曲です。

そして、決して、おしゃれミュージシャンの枠にとどまることなどない

肉体派パフォーマーとしての山下達郎が存分に味わえます。


大好きなアルバムです!




日本人のポップスが続いたので

ここらでオーストリア人が指揮する

20世紀のドイツ音楽を紹介したいと思います。

Herbert Von Kajanが指揮する

新ウィーン学派のオーケストラ作品集で、

オーケストラはベルリン・フィルハーモニー。

録音は72年から74年、フィルハーモニーとイエス・キリスト教会でされております。


カラヤンは、その流麗かつ豪華絢爛な音楽性で

グローバルな人気を獲得したのですが、

意外と合う曲と合わない曲のギャップがすごかったりします。

あくまで好みの問題だとは思うのですが、

レガートを多用する氏のスタイルは

ハイドンやモーツァルト、ベートーベン、シューベルトなどの

人気の高いドイツ系の作曲家の作品では

リズムの躍動感がまるで出ずに、むしろ合わないことの方が多いように思われます。


さて、そんなカラヤンのスタイルが

反対にドンピシャにはまっているのがこの録音。

えてしてアカデミックな方向性にもっていかれがちな

ヴェーベルンの作品集が、なんとも言えない妖しい色香がはなっております。

(学者肌のピエール・ブーレーズやシノーポリの録音と聞き比べると面白いと思います。)

各々の旋律が、途切れ途切れに演奏されてしまうことなく

流麗に流れていくのは壮観です。


果たして、作曲者がこういうものを望んでいたかは不明ですが、

他の録音や曲ではなかなか味わえない肌触りの名演だと思います。


是非、聴いてみてください!