「いいな、骨髄!!」 | 読書日記

読書日記

神郡が読んだ本の感想や、諸雑記を書いていくブログ。
知り合いには見せられないなあ。

外で携帯ゲームしますか?
DSでもPSPでもゲームボーイでもゲームギアでもなんでもいいですけど。

以前マクドナルドで小学生が5,6人集まってゲームしていたんですよ。
そうしたら急に中の一人が上の言葉を叫びまして。
たぶんモンスターハンターだと思うんですけど、レア素材がお友達のところに出たんでしょうね。それで思わず叫んでしまったと思うんですけど。

それ以来、こんな言葉を小学生に叫ばせる日常って怖ぇ、と思い人がいるところでゲームするのを止めた次第です。





・カトリーヌガルシア『レメディオス・バロ―絵画のエクリチュール・フェミニン』(’14水声社)
・小林泰三『惨劇アルバム』('12光文社)
・赤坂真理『東京プリズン』('12河出書房新社)
・吉永南央『名もなき花の―紅雲町珈琲屋こよみ』('12文藝春愁)
・古川日出男『4444』('10河出書房新社)
・恒川光太郎『スタープレイヤー』('14角川書店)



・カトリーヌガルシア『レメディオス・バロ―絵画のエクリチュール・フェミニン』

――人間として、芸術家として、女性であるということの根源的問いを発しつづけた画家レメディオス・バロ。シュルレアリスムの実験的手法、秘教思想に学びつつ、死と再生、人間と世界の宇宙的循環を、画布の上で自由に織りなすバロの独創的な幻想世界の魅力を、“女性性による創造”から解き明かす。――


レメディオス・バロという画家の作品を筆者が(独自の?)解釈をした半・画集でした。
そもそもバロという画家は知らなかったのですが、なんとなく手に取った表紙の絵がシュールというかファンタジーというか。好きなタイプの絵でした。日本の画家だと、大竹茂夫に似ています。

バロという作家は1930年から60年あたりに掛けて活躍した、スペイン・メキシコのシュルレアリスムの画家で、とても美人です。
どんな絵かと言えば、半人半鳥の人物が自ら描いた鳥の絵に月の光を当てて命を吹き込んでいる(鳥たちの創造)、塔の頂上で地球に刺繍する女性たち(大地のマントに刺繍する)、下半身が車輪になった女性たちが買い物をしている(御婦人方の幸福)、など、幻想的で同時に不気味な絵です。かなり好きですが。

半人半獣、奇妙な機構・機械、動き出す静物、そういったモチーフが多く見ていて想像力をかき立てられます。
ただ、筆者の解説が考え過ぎな印象がありました。通常絵を見た時に受け取るイメージを一周こねくり回しているような解説で、そこは時折首をひねるところもありましたが、普通に絵を楽しむには問題ないです。全ての絵がカラーではないのが結構残念ではありましたが。
画集が欲しくなりました。



・小林泰三『惨劇アルバム』

――なぜわたしの人生には、幸せなことしか起こらないのか?美咲は、古びたアルバムを開いた。彼からのプロポーズ、大学合格…そこには様々な幸福の光景が。ところが、一枚の写真から蘇ってきたのは、(自分は幼い頃に死んだ)という、あまりにも鮮明な記憶だった。混乱する美咲に母が語り始めた、戦慄の「家族の物語」とは?悪夢と惨劇に彩られた恐怖の連作集。――


はい。そうですね、気分が悪くなります。
この作者の売りといえるグロテスクなものだけではなく、ストーリー、登場人物が不条理で不愉快で、そんなめちゃくちゃな理論を平然と押し並べて納得させようとするところに非常に憤りを覚えました。
しかしながらそこを期待して読んでもいるので、納得と言えば納得。

うーん、でも少し思っていたのとは違いました。連作短編とはいいつつ、微妙に繋がっていない面が気持ち悪い読後感をもたらします。
読む際はお気をつけて下さい。



・赤坂真理『東京プリズン』

――戦争は忘れても、戦後は終らない……16歳のマリが挑んだ現代の“東京裁判"を描き、朝日、毎日、産経各紙で、文学史的事件と話題騒然! 著者9年ぶりとなる感動の超大作。――


タイトルに惹かれて。巣鴨プリズンの事かと思ったら違いましたが、東京裁判をやり直すというところが面白そうだな、と。
問題提起自体はとてもはっとさせられるもので、第二次世界大戦の責任の所在を天皇に求めるというタブー感漂う内容です。

初めて読んだ作家さんなのでなんとも言い難いのですが、普段からこういう自伝的な書き方をするのでしょうか。45歳の私と、16歳の私「アカサカ・マリ」が交差しながら展開するのですが、すごくわかりづらい。ところどころに挟まる幻覚やイメージ、過去なのか現在なのか、実際の逸話なのか想像なのか判断がつきづらく、読むのに時間がかかります。

単身アメリカに留学させられた16歳のマリが、進級を掛けて東京裁判で天皇が有罪だという立場でディベートする。
そういう話です。要はそういう話なのですが……。

A級戦犯はランクではなくクラス分けの意味だという事や、戦後30年ほどで戦争の事を忘れていることの不自然さ、そもそも天皇とはどういう存在なのか、平和に対する罪とはなんなのか、そういうものごとに対する疑問を晒していく過程はとても感慨深いのですが、それを作者の過去やトラウマと絡めて書いたためにヨクワカラナクなってしまった印象です。

連載中に起こった3・11の話も混じり、それが良いことなのか悪いことなのかわかりませんが、英霊とか、大君とか、結合双生児とか、ヘラジカとか、母との確執とか、キリストとか、主題がなんなのか途中からもう。
通訳=シャーマンなディベート部分も不思議な味わい。
これは小説として読んでいいのか悩みます。



・吉永南央『名もなき花の―紅雲町珈琲屋こよみ』

――北関東のとある地方都市の一角、観音さまが見下ろす街、紅雲町で、コーヒー豆と和食器の店「小蔵屋」を営む気丈なおばあさん、杉浦草。人々を温かく見守り続ける彼女は、無料のコーヒーを目当てに訪れる常連たちとの会話がきっかけで、街で起きた小さな事件の存在に気づいていく人気シリーズ第三弾。今回は、お草さんが、コーヒーを仕入れるミトモ珈琲商会が、紅雲町のある街に出店を計画。ミトモでは、二代目の若手女性社長・令が紅雲町をリサーチしていた。珈琲豆の仕入れに不安を感じたお草さんは、懇意であるミトモ初代社長に相談へ行くが、社長になった娘の令と、彼女をサポートする井(い)との対応で、逆に三友から相談されてしまう(「長月、ひと雨ごとに」)。紅雲町の青果店に持ち上がった産地偽装問題を記事にしようと、意欲に燃えている新聞記者の萩尾。だが、事件の背景には、意外な事情があった。萩尾の元の雇い主で、お草さんのコーヒーの師匠であるレストラン「ポンヌフアン」であるバクサンこと寺田博三は、正義感が先行し、ややあぶなっかしい萩尾を心配して、青果店と同じ町に住むお草にお目付け役を依頼する(「霜月の虹」)。お草は、この事件を通して、草の友人である由紀乃のいとこのかつての夫で、萩尾の民俗学の師匠である勅使河原先生と、その娘の美容師・ミナホとも関わることになる。草から見る、萩尾とミナホの関係は、どこかギクシャクとした不思議な関係だった。そんななか、勅使河原先生に論文盗用の疑惑が持ちあがる。そして、論文盗用疑惑をきっかけに、三人の止まっていた時が動き出そうとしていた……。「萩を揺らす雨」でブレイクした著者が、お草さんと彼女をとりまく街の人々の生活を通して、四季を描きつつ、お草さんならではの機転と、ささやかな気配り、そして豊富な人生経験から、小さなトラブルを解決していく滋味あふれる短編連作小説集。――


そうです、第三弾ですね。まさかこれほどまでに前作を読んでいないとわからない連作短編だとは。図書館にこれしかなかったのですよね。
雰囲気的に、『タルト・タタンの夢』のような一話完結型だと思い込んでいました。

話は上記の通りなので感想。
ミステリーではない、ですね。メインはお草さんの日常。そこに現れるトラブルを解決したりしなかったり。
日常といっても、お草さんはおばあさんです。親友は体が不自由で、少し認知症の気配がある由紀乃。若い人たちの心配、友人の心配、自分の心配。
確かに読んでいて心が温まる瞬間もありますが、それ以上に「日常」が決して楽なものではないという事が沁み込んで来て、なんだか切なくなります。

とりあえず第一作から読んでみます。



・古川日出男『4444』

――成海璃子、絶賛!「この小説、とんでもないですよ! 本を閉じた後、世界が変わってみえました」――4年4組を舞台に仕組まれた44の物語。「4」が今、生と死の放物線を描き出す。――


44週にわたってWeb上に連載された作品だそうで、過分に実験的な作品です。
内容はショートショート的なものもあれば考察なのか極短いものもあり、登場人物は恐らく小学4年生の時に、同じ4組だった人たちの物語、の断片。
はっきり繋がっている人たちの話もあれば、名前も出てこないような人たちの話、それでもかつて4組の生徒だったんだろうな、ということでなんとなくわかるような話。

面白いかどうかと言われれば、好きだけどそれはよくわからない、という印象。でも好きですよ。
なんとなくですけど、円城塔の『後藤さんのこと』に出てくる銀河帝国の話を思い出しました。



・恒川光太郎『スタープレイヤー』

――路上のくじ引きで一等賞を当て、異世界に飛ばされた斉藤夕月(34歳・無職)。そこで10の願いが叶えられる「スタープレイヤー」に選ばれ使途を考えるうち、夕月は自らの暗い欲望や、人の抱える祈りの深さや業を目の当たりにする。折しも、マキオと名乗るスタープレイヤーの男が訪ねてきて、国家民族間の思惑や争いに否応なく巻き込まれていき…。RPG的興奮と神話世界を融合させた異世界ファンタジーの新シリーズ、堂々開幕!――


発売時に買って読んで、感想書くの忘れていました。面白かったです。でも今までの作品とはだいぶ雰囲気が違います。

異世界ファンタジーもので、3つの願いもの。ファンタジーでも西洋風ではなくて、モンゴルあたりの草原世界です。
そこに飛ばされてくるのは少年少女ではなく、バツイチ無職の中年女性。タブレット型端末に願いを打ち込むと、10個だけ願いが叶えられる。
こういう話は、自分ならどうするだろう、という創造をしながら読めておかしいですね。

主人公の夕月はでっかいお城を構えてのんびり暮らします。最初こそ歪んだ想いもありましたが、友好的な他のスタープレイヤーや、現地人と交流しながら何年もたっている描写があって、冒険物語なら次々と困難が襲ってきたりするのでしょうが、そうでないところが作者っぽいなと思いました。

後半は剣呑な展開で、面白いけれども普通のファンタジー小説ですかね。
まだまだ続くそうなので、楽しみです。個人的には作者の民族的なノスタルジックな感じが好きなので、そういう面が出てくると嬉しいです。

しかし、美人に変身して「夕月姫」と呼ばれる中年女性の心情はいかばかりでしょう。





でも思い返せばあんまり外でゲームしてた覚えがありません。
集中できないし、画面光反射して見づらいんですよねぇ。
もっぱら家専用携帯ゲーム機になっているので、出来れば今後家庭用ゲーム機でリリースして欲しいところです。


では、また。
さようなら。


『CDプレイヤーなんて安いものさ。……特に俺のはな』